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「言語道断!『命の綱』を美容目的の高値で…」さい帯血無届け投与に怒り

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 無届けのさい帯血投与事件で、医師や、さい帯血提供業者らが27日に逮捕されたことを受けて、治療を受けた患者の家族や再生医療の学会からは怒りの声が上がった。

 「末期がんだった夫は、少しでも効果があればと希望を抱いていた。逮捕という事態にショックを受けている」

 東京都内の内科クリニックで昨年3月、さい帯血の投与を受けた関東地方の男性(当時70歳代)の妻は、怒りをあらわにした。

 末期がんを患っていた男性は、坪秀祐容疑者が実質運営する京都市の京都健康クリニックのホームページを見て、さい帯血を使った治療を知った。医師でもない坪容疑者が「さい帯血はがん細胞を攻撃する」と勧める姿に、妻は不信感を抱いたが、男性は300万円以上を支払って投与を受けた。男性は今年5月、がんのため亡くなった。妻は「本当にがん治療に効果があると思っていたのか。正直に話してほしい」と訴える。

 さい帯血は、白血病や悪性リンパ腫など血液がんの治療に使用され、大きな治療成果が出ている。全国がん患者団体連合会理事長で、悪性リンパ腫の患者でもある天野慎介さんは、「さい帯血は血液がん患者にとって『命の綱』だ。それを営利目的で高値で売買し、効果が不明な美容などに使われていたとすれば言語道断だ」と憤る。

 日本再生医療学会によると、クリニック院長の首藤紳介容疑者は学会の会員で、再生医療の制度を学ぶセミナーにも参加していた。同学会の澤芳樹理事長は読売新聞の取材に、「会員による違法な行為は遺憾で許し難い。会員の医師には法の順守の徹底を求めていく」と話した。

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