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夏休み終盤、生活リズム戻す
1週間で起床・就寝を修正
夏休みは、夜更かしなどで生活リズムが乱れがちだ。そのままの状態で学校の再開を迎えてしまうと、授業に集中できないといった問題も起きてくる。残りの期間で規則正しい生活習慣を取り戻しておきたい。
東京都江戸川区の小学3年生の男児(8)は、夏休み中も午前7時に起床する生活を続ける。目が覚めたら、ベランダで自由研究の課題にしている植物の生育状況を観察し、朝日を浴びる。母親(38)も「学校が休みだと、つい親も気を緩めがちになる」と話し、定刻の就寝・起床を心掛けている。
東京都内の公立小校長を務めた東京成徳短大非常勤講師の和田信行さんは「学期中と同様の生活リズムを保つことが大事」と話す。夏休み中も学期中と変わらぬ時間に起床、勉強の時間なども決め、早寝早起きの生活を送るのが理想だ。
もし、生活リズムが乱れてしまっていたら、徐々に戻していく。急に早起きさせても、時差ぼけのようになって体調を崩してしまうので、1週間ほどかけて慣らすように戻していくとよい。「特に低学年の子どもは、親が手助けしてあげてほしい」
和田さんによると、夏休み明けは、頭痛などを理由に学校を休みがちになる児童が出やすい時期という。
生活リズムの乱れだけでなく、しばらく会わなかったクラスメートと再び人間関係を上手に築けるかという不安感なども原因になるという。夏休み中に図書館や児童館などに連れて行き、友達と会う場面を作ってあげるのも有効だ。
小児科医らでつくる「子どもの早起きをすすめる会」発起人の一人で、小児神経学クリニック(東京)院長の星野恭子さんは「不摂生は、成長途上にある子どもに様々な悪影響を及ぼす」と警告する。
人は朝、日の光を浴びると脳内物質「セロトニン」が分泌される。「遅寝遅起き」でこれが不足すると、うつ状態や睡眠障害などになりやすくなるという。脳の発達にも影響するとされており、育ち盛りの子どもは要注意だ。
星野さんが勧めるのが「睡眠表」の活用。24時間の目盛りがふってあるグラフに睡眠や食事などの時刻を書き込んでいく。子どもでも生活リズムがひと目で確認できる。
東京都教育委員会など全国の自治体では、小学校新入生の保護者向けに早寝早起きの必要性を訴えるパンフレットを配るなど家族ぐるみの取り組みを勧める。夜型の生活をしている大人は少なくない。星野さんは「親が手本を示してあげることも大事です」と話している。
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