ニャるほど!社会保障
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高齢者って、何歳から?
「65歳以上」見直す声も
高齢者って
何歳から?
Q 高齢者って、何歳の人のことを言うのかしら。
A 高齢者の定義は、その社会によって違い、統一の基準があるわけではないんだよ。国連が1956年に出したリポートで、「65歳以上」とされてから、国際的にはこの基準を使うのが主流となったんだよ。日本も人口の推計などでは、この基準を導入している。
Q 日本にいる高齢者はどれぐらいかな?
A 総務省の今年7月の推計では、65歳以上の高齢者の人口が3502万人で、総人口に占める割合を示す高齢化率は27・6%だ。4人に1人以上が高齢者なんだね。
Q でも会社の定年は普通、60歳だって聞いたわ。
A 高年齢者雇用安定法では、定年を60歳以上としている。だから60歳を定年としている会社が多いんだ。ただ、年齢の線引きは制度によって様々だよ。介護保険が使えるのは原則65歳からで、厚生年金の受給開始年齢も、65歳までの引き上げが進められている。一方、医療保険では、70歳になると原則、自己負担が3割から2割に下がるよ。
Q 健康で元気なお年寄りも増えているね。
A 日本人の平均寿命は、男性が80・98歳、女性が87・14歳(2016年)。戦前は50歳にも届かなかったけど、医療の発展などで飛躍的に延びた。日本老年学会などによると、現代の高齢者の知力や体力、健康状態は、10~20年前よりも5~10歳くらい若いといわれているよ。同学会などは、高齢者の定義を「75歳以上」に見直すように提言も出している。
Q 変化していると言えるのね。
A 厚生労働省の調査(16年)では、「あなたは、何歳から高齢者になると思うか」という質問に対し、「70歳以上」と答えた人が41・1%。これに対して、「65歳以上」と答えた人は20・2%と少ないね。
年齢に関係なく、長く健康でいたいよね。それには高齢になっても体を動かし、その人らしい活躍ができる多様な機会を増やすことが大切かな。(粂文野)
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