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介護・シニア

徘徊者捜索、スマホで協力

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QRで発見連絡 高齢者着衣にシール

 

徘徊者捜索、スマホで協力

 認知症で 徘徊はいかい し、行方不明になった人を見つけるため、スマートフォンを活用したシステムが自治体で普及している。比較的費用も安く、スマホの所有者なら誰でも、発見に協力できるのが特徴だ。

  ■「安い」

 医薬品流通「東邦ホールディングス」の子会社「みらい町内会」(東京)は、インターネット上の伝言板を使う「どこシル伝言板」を開発。今年1月の運用開始以来、埼玉県日高市や長崎市など10市で導入された。

 徘徊のおそれがある高齢者の家族が、市を通じて専用伝言板に情報を入力。高齢者の身体的特徴や、「左耳が遠いので、右耳に話しかけてください」などの注意点を書き込める。家族には、入力情報と結びついたQRコード入りのシール(縦2.4センチ、横4.5~5センチ)が配られるので、高齢者の着衣や持ち物に貼る。

 徘徊中の高齢者を見つけた人がシールに気づいて、スマホでQRコードを読みとると、伝言板につながる。発見場所などを書き込んで送信すると、家族に届き、やりとりもできる。

 自治体のほか介護施設などでも導入できる。基本料3万5000円(税別)、シールは種類や枚数で値段が異なり、30枚で1980円(税別)などとなっている。日高 立郎はるお 取締役は「GPS(全地球測位システム)を高齢者に携行してもらうより、かなり安い」と強調する。

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徘徊高齢者を発見する訓練で、スマートフォンを使って「どこシル伝言板」を試す参加者たち(7月26日、宮城県石巻市で)

 宮城県石巻市は今年度、高齢者約70人を対象に「どこシル伝言板」を導入。7月、徘徊高齢者を発見する訓練で、市民ら約190人が試した。参加した女性(74)は「操作は簡単。私もスマホを買って協力したい」と話した。

  ■アプリも

 社団法人「セーフティネットリンケージ」(札幌市)の「みまもりあいアプリ」は、発見に協力できる人が、あらかじめスマホに無料アプリをダウンロードしておく仕組みだ。全国で約3万人がダウンロードした。

 高齢者の家族が同法人に会員登録し、IDを取得。スマホの専用画面で、高齢者の身体的特徴や顔写真などを入力する。行方不明になった場合、スマホで協力を呼びかけると、最大半径20キロで、アプリがダウンロードされたスマホに、入力情報とID、フリーダイヤル番号が届く。発見者がフリーダイヤルに電話すると、家族の携帯電話などに転送され、直接話ができる。

 IDとフリーダイヤルが書かれたシール(縦2.2センチ、横4.2センチ)も48枚配られる。高原達也代表理事は「衣類などに貼っておけば、アプリをダウンロードしていない人が高齢者を見つけた場合でも、家族に知らせられる」と話す。個人でも会員になれる。入会金2000円、月額利用料300円。消費税は不要だ。

 今年4月の運用開始以来、山梨県笛吹市など5市が導入。自治体以外では、「学研ココファン」(東京)が運営する横浜市内の高齢者向け住宅で、入居者全員を会員登録した。他施設でも導入を検討中で、 五郎丸徹ごろうまるとおる 社長は「商店街など地域住民にお願いし、アプリをダウンロードする人を増やしたい」と話す。

不明1万5000人超

 

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 警察庁のまとめによると、行方不明になった認知症の人は2016年、全国で1万5432人に上る。多くの市区町村が、徘徊のおそれがある高齢者の名前や家族の連絡先などを把握し、発見者からの問い合わせに対応している。深夜や休日でも、携帯電話を手放せない職員がいる。

 「どこシル伝言板」や「みまもりあいアプリ」なら、発見者が家族と直接やりとりできるので職員の負担を減らせる。スマホ画面に高齢者の名前、家族や発見者の電話番号など個人情報が表示されない点も、普及を後押ししそうだ。

 (安田武晴)

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