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NHKアナから病児ケアへ
たんの吸引など医療的ケアが必要な子どもと家族のための短期入所施設「もみじの家」(東京)で、初代ハウスマネジャーに就任して1年余り。30年務めたNHKアナウンサー時代の人なつこい笑顔は変わらない。
重い病気で医療的ケアが必要な19歳以下の子は全国に約1万7000人。自宅で24時間ケアに追われる家族の負担を減らし、子どもの成長を支えようと、国立成育医療研究センターが昨年4月に設立した施設だ。
取材経験と温和な性格からマネジャーの打診を受けると、運命と感じてNHKを退職した。4年前に放送した「クローズアップ現代」。孤立した親たちの悩みにショックを受け、心に引っかかりを感じていた。
始めてみると「失敗ばかり」。運営費の4割を占める寄付金集めに奔走したり、使ったことがないエクセルで資料を作ったりと、就任当初は落ち込み、ストレスで体重が一時、5キロ落ちたという。
口コミで利用も広がり、今は手応えを感じている。「重い病気でもその人らしく生きられる。普通の親子の姿を取り戻せる『第二の家』にしたい」との思いを実現させるつもりだ。(社会保障部 粂文野)
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