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精神科の拘束、日本突出…器具普及、運用あいまい 背景か

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NZ男性遺族ら「考える会」

精神科の拘束、日本突出…器具普及、運用あいまい 背景か

 精神科病院で行われる身体拘束は、10年前に比べ2倍に増えているという。日本の精神科病院で拘束を受けた後に急死したニュージーランド人青年の遺族が、日本の医療関係者や弁護士、患者家族らと不必要な身体拘束をなくすよう求める会を設立。国内外に訴え始めた。

  ■突然の死

 「何度も来た経験から、日本の医療は素晴らしいと思っていた。なぜあんなことが行われたのか、理解できない」

 ニュージーランドのビクトリア大教授で地震学者でもあるマーサ・サベジさん(60)は、悲痛な面持ちで話した。

 今年5月に死亡した次男のケリーさん(当時27歳)は大学で日本語を専攻。一時精神状態が不安定になったものの回復し、2年前から鹿児島県の小中学校で英語教師として働いていた。

 だが今春、首都圏に住む兄の自宅滞在中に双極性障害(そううつ病)になり、近くの精神科病院に緊急入院。到着時は穏やかで指示通りにベッドに寝たところ、手首と腰、足をベッドに拘束され、10日後に心肺停止状態で発見された。「いつも笑顔で、誰もが慕う先生。突然で、言葉もありません」と受け入れ先の学校関係者は肩を落とす。

 死後、遺族が開示請求をした診療記録によると、入院4日目から「静穏」だったにもかかわらず、身体を拭く時間以外、拘束され続けていた。病院側は取材に対し、「提訴予告を受けており、一切話すことができない」としている。

  ■長時間拘束

 精神科病院への入院患者は減少傾向にあるものの、厚生労働省の調べでは、身体拘束を受ける患者数は2014年6月30日時点で1万682人に上り、10年前の5242人から約2倍に急増している。身体拘束の調査を手がける杏林大保健学部の長谷川利夫教授によると、認知症患者が拘束されるケースの増加や、簡便に拘束できる器具の普及などが背景にある可能性があるという。

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