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宋美玄のママライフ実況中継

コラム

コンドームは「男性がつけてあげるもの」なのか?

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コンドームは「男性がつけてあげるもの」なのか?

電車の本を与えると大人しくしている息子です

 お盆休みが近いためか、通勤電車がすいていてびっくりしました。私も夫も、「通常営業」なのですが、子供を預けられる先がほとんどお休みになるのが、この時期の悩ましいところです。

 先週のコラム「緊急避妊薬が薬局で買えると困りますか?」にたくさんの反響がありました。

 おおむねコラムの趣旨に賛成の意見でしたが、医師の処方箋なしに薬局で買えるようになると、いずれネットでの闇販売が始まる、と心配する声や、性犯罪などでの悪用が懸念されるという声がありました。「レイプ犯に無理やり飲まされる」との意見も散見されましたが、緊急避妊薬が薬局で入手できるかどうかが性犯罪の動機に影響を与えることはないと思います。

 特殊なケースを針小棒大に言って緊急避妊薬を制限するよりも、妊娠を望んでいない人が、薬を簡単に手に入れられるようになるメリットの方が大きいと、私は思います。

 一方で多かったのが、「緊急避妊薬が薬局で簡単に買えると、コンドームをつけなくなる男性が増える」との意見でした。実際、患者さんの話を聞いていると、女性が低用量ピルを飲んでいる時はコンドームをつけなくてもよいと思っている男性は少なくないようなので、確かにそのような事態は想定されるなぁとは思いました。

実は、男性の身を守るものだから

 先日参加した女性向けイベントのトークセッションで、「どうすれば男性にコンドームをつけてもらえるのか」が、話題に上りました。

 私は、「そもそもコンドームは男性にとっても、自分を守るもの。『女性が男性につけてもらう』『男性が女性のためにつけてあげる』という認識がおかしい」と発言しました。

 「コンドーム=避妊具」と認識している人が多いのですが、決して確実な避妊法ではありません(一般的な使用だと、1年間に約14%の割合で妊娠します)。

 とはいえ、低用量ピルや緊急避妊薬では、ウイルスや性感染症の予防はまったくできません。コンドームを使用すれば、クラミジアや淋菌りんきん、HIV(エイズウイルス)などはかなり確実に防げます。それでも、尖圭コンジローマや子宮頸ガンの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)やヘルペス、毛ジラミなどは、コンドームではほとんど防げないので、決して万全ではありませんが。

 コンドームを単なる避妊具の一つだと考えていると、「女性のためにつけてあげるもの」と考えがちになるでしょうが、実は男性にとっても、「自分の身を守るもの」なのです。

 それに、望んでいない妊娠は、男性にとっても不都合ではないですか?

 男性の皆さん、コンドームを「マナー」としてではなく、自分の身を守るものだと認識し、確実に使ってくださるようにお願いします。(宋美玄 産婦人科医)

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)。

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1件 のコメント

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男女関係の隙間と現実と虚構と願望

寺田次郎 六甲学院放射線科不名誉享受

宋先生の視点は非常に重要で、ニュースに出てくるような、男性の性犯罪者が無防備な女性を被害者にする構図だけではなく、様々な関係性が男女にはあります...

宋先生の視点は非常に重要で、ニュースに出てくるような、男性の性犯罪者が無防備な女性を被害者にする構図だけではなく、様々な関係性が男女にはあります。

最近、ニュースになった某有名漫画家のヒロイン総選挙を見ました。
多分、世の女性は生身の女性だけではなく、非の打ちどころのない架空の女性や映像で美化された女性がライバルだから大変です。
(男性もそうですが。)

外見も、内面も、出会い方も申し分ない異性なんているはずもありませんが、夢を見るのが人間のサガです。

ところで、日本の法律だと、最悪を想定した場合、結婚や子作りは真面目な男には不利になっています。
それも含めて、日本の若者や青年、中年を独身生活に走らせているのかもしれません。

避妊具や法律が男女関係をこじらすものではなく、人間関係の隙間を埋めるものであってほしいものです。

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