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自由研究、親がサポート
テーマ選び、興味を尊重
子どもたちの夏休みが中盤にさしかかり、自由研究をどうするか、そろそろ親子で頭を悩ませ始める頃ではないだろうか。子どもの自主性を尊重しつつ、上手に研究の手助けをしたい。
7月下旬、夏休みの自由研究や宿題について、体験しながら考えるイベントが東京都内で開かれた。
「うわー、難しい」「やったー、できたー」。建設会社が設けたブースでは、接着剤やくぎなどを使わずに、割り箸だけでアーチ状の橋を組み立てていた。小学1年の男子(7)と一緒に参加した川崎市の母親(39)は、「まだ研究のテーマは決まっていません。少しでも興味を広げてやりたいと参加しました」と話す。
夏休みの自由研究を親が手助けすることは多い。一般社団法人「日本能率協会」(東京)が、昨夏の自由研究について、子どもが誰と一緒にやったか調査したところ、「母親」57%、「父親」15%で、「子どもが一人でやった」は10%にとどまった。
元小学校教師で教育評論家の
自由研究の典型的な形として、サッカーや昆虫といった普段から興味のあることを深め、まとめる方法がある。ただ、「子どもだけでは、いくら好きなことでもなかなか深められないし、行動力もお金もない」と親野さん。何に興味があるのかを親が聞き出し、テーマを決めるよう促した上で、図書館や博物館に連れて行くなどしてサポートすると良いという。
注意すべきは、親のやりたいこと、やらせたいことを押しつけないこと。子どもが主体的にテーマを決めなければ、研究の意味は半減する。「大切なのは本人が興味を持って取り組めるかどうか」と親野さんは強調する。
ベネッセコーポレーション小学生事業部の佐藤久実子さんは、「どのテーマにも言えることですが、研究前に、どんな結果になるか本人に『予想』させることが必要です」とアドバイスする。
どういうことか。例えば、家に入ってきたアリをどうすれば駆除できるか。子どもは結論を求めたがるが、親が促して予想をさせる。「アリは甘いものが好きだから逆に苦いものを与えてはどうか」「苦いものといえばコーヒーかな」「どこに置けば嫌がるかな」といった具合だ。
「予想を確かめるために様々な検証をし、その結果を紙にまとめるだけで自由研究になる」と佐藤さん。紙には、〈1〉調べたい理由〈2〉予想〈3〉調べ方〈4〉結果〈5〉それによって分かったこと――を書き込めば良い。
テーマが決まれば、段取りをどうするかも重要だ。「1週間先のことまで考えられるのは高学年になってから。計画を立てる時にも親の手助けが必要です」。共働きの家庭であれば、子どもと過ごせる時間も限られている。佐藤さんは、「夏休みの日程を見ながら、親も段取りを意識する必要があるかもしれません」とアドバイスしている。
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