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ボッチャも授業に…パラリンピック目指し、特別支援学校がスポーツ教育強化

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ボッチャも授業に…パラリンピック目指し、特別支援学校がスポーツ教育強化

 3年後の東京パラリンピックを目指し、障害のある選手の育成や競技のレベルアップを目指す特別支援学校が増えている。日本体育大学が今春、付属特別支援学校を開校させたほか、公立校も部活などでのスポーツ教育に力を入れ始めた。

 「よし、もう1本」。北海道網走市内のプールで、コーチのかけ声とともに水を蹴る音が響く。練習しているのは、日本体育大学付属高等支援学校の水泳部。授業の後に週3回、このプールを利用する。

 1年生の山口 源起げんき さん(16)は、昨年9月の北海道障がい者水泳大会で、50メートル自由形と50メートル背泳ぎで好記録を出し、道代表となった。今年10月の全国大会でいい成績を残すことが目標だ。「大きな大会は緊張するけれど、パラリンピックにぜひ出たい」と目を輝かす。

 日体大はパラリンピック選手の育成も視野に、今春、同校を開設した。特別支援学校は障害のある児童や生徒が通う学校で、全国に1000校以上あるが、スポーツ教育を主体とする特別支援学校の設立は初めてだ。高等部のみで、第1期生は、道内のほか東京都や神奈川県、愛知県などから集まった知的障害のある男子19人で、寮生活を送っている。

 保健体育の授業を毎日行うほか、全員が水泳、陸上競技、卓球部のどれかで活動。有望選手には日本財団(東京)から遠征費用などを支援する奨学金が支給され、山口さんもその一人だ。

 網走市に開校したのは、若者の流出を防ぎたい地元自治体からの要請を受けたからだ。地域の学校としての役割もあり、生徒全員がスポーツが得意なわけではない。島崎洋二校長は「一緒に授業を受けているうちに体力が向上する」と話す。

 公立校も、3年後に向けて取り組んでいる。

 開催地となる東京都は2015年度から、ボッチャなどのパラリンピック種目を授業に取り入れたほか、文京盲学校、府中けやきの森学園など一部の都立特別支援学校を拠点とし、スポーツ指導者を部活動に招いて全国大会を狙える選手の育成も目指す。神奈川県も昨年度から、一流アスリートを招いた教室を開いている。

 スポーツ庁も障害者スポーツの振興に取り組む。同庁が委託する特別支援学校を活用した実践事業に滋賀、鳥取、福岡県など4自治体と弘前大学が参加し、学校を含め地域での普及推進事業に新潟県、大阪府、徳島県など14自治体が参加している。

 特別支援学校出身のメダリストには、いずれも競泳で、ロンドンとリオデジャネイロの銀メダルを獲得した木村敬一選手や、リオで銅の津川拓也選手らがいる。

 東京都教育庁の特別支援教育指導課では、「パラリンピックをきっかけに、障害者スポーツの裾野を広げたい」と話している。

          ◇

【特別支援学校】  視覚や聴覚、知能、身体などに障害のある人が、幼稚園や小中学校、高校に準じた教育を受け、自立に向けた知識や技能を学ぶ学校。国公立と私立を合わせ、全国に1125校(2016年5月時点)ある。

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