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医療ルネサンス

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お尻を守る(5)自己臭症 検査で不安減

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お尻を守る(5)自己臭症 検査で不安減

福祉関連の学校を目指して勉強する女性(東京都内の自宅で)

 「もしかして、くさいのは私だけなの?」

 東京都の18歳の女性は中学2年の時、ふと思った。幼い頃から便秘がちで、おなかが張ってオナラがよく出た。小学生の頃は「みんな同じだろう」と思い、気にしなかったが、振り返ってみると、友達は長く一緒にいてもオナラのにおいがしなかった。不意に頭に浮かんだ疑問符は、不安と恐怖に置き換わった。

 近くの友達が自分の鼻をさわると「私がくさいからだ」と思い込んだ。隣の友達が急に立ち去ると「くさいから嫌われた」とショックを受けた。その時、オナラはしていなくても「私のお尻からは常にガスが漏れている」と思うようになった。人に近づくのが怖くなり、不登校に陥った。

 いじめを受けた事実はなく、突然起こった原因不明の不登校に周囲は戸惑った。女性は恥ずかしくて理由を明かせなかった。

 しばらくして、医療機関でカウンセラーと対面した。「分かってもらえるかも」と期待し、悩みを打ち明けた。ところがカウンセラーは「気にし過ぎ」と言うだけで人ごとのようだった。女性は再び心を閉ざした。

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