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[初めての介護](4)合うデイサービス選ぼう

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体操メイン、娯楽充実…施設ごとに特色

 

[初めての介護](4)合うデイサービス選ぼう

職員の指導で筋力トレーニングに励む落合さん(左)=東京都中央区のアルクル入船で

 自宅から介護施設へ通って利用するデイサービス(通所介護)は、入浴や食事をしたり、レクリエーションを楽しんだりすることができる。施設によって、サービスの特色はさまざまだ。どんなポイントに気をつけて選べばいいのだろうか。

  ■週4日交流楽しむ

 「足を上げて、はい、戻して。今日はみなさん大きく動けてますね」

 東京都中央区のデイサービス「アルクル入船」では、職員のかけ声に合わせ、イスに座った男女6人の利用者が、腕や足を上げたり伸ばしたりする運動をしていた。午前または午後の半日コースで、70~80歳代を中心に計約70人が通う。全員で一緒に行うトレーニングや、個人の状態に応じたリハビリを行うほか、柔道整復師によるマッサージを受けられるのも特徴だ。

 3年前から利用する落合弘之さん(80)は、要介護3。要支援を含め7段階ある要介護度のうち重い方から3番目だ。階段から落ちてケガをしたのをきっかけに、ケアマネジャーの勧めで通い始めた。すぐに気に入り、今では週に4日利用する。「トレーニングで、歩きやすくなり、腕も動くようになった。人と話もできて楽しい」と、満足げだ。

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  ■家族の負担減にも

 介護保険によるデイサービスは、要介護1~5の認定を受けた人が日帰りで施設に通い、食事や入浴をしたり、リハビリを受けたりする。自宅まで送迎してくれるのが一般的。自宅にこもって心身が衰えるのを防ぐほか、介護する家族の負担を軽くする目的もある。

 利用時間は、〈1〉3時間以上5時間未満〈2〉5時間以上7時間未満〈3〉7時間以上9時間未満――の3パターン。〈3〉の場合、最大5時間まで延長できる施設もあり、家族が日中は働いている場合も安心して利用できる。

 費用は要介護度や利用時間により異なるが、5~7時間で1回6000~1万円程度。利用者負担は原則としてその1割だ。リハビリや入浴を受けると上乗せされる。要支援の人などは、市区町村の介護予防・日常生活支援総合事業で類似のサービスが利用できる。

 過ごし方は施設で異なり、お茶会など交流に積極的なところもあれば、手芸や体操などがメインのところも。将棋やマージャンなど男性が好むレクリエーションが豊富な施設もある。

 サービスや雰囲気になじめないと、通わなくなってしまうこともある。アルクルの運営会社「ワイズ」の鶴田正芳・サービス開発室長は「よく調べ、趣味や目的に合う施設を選ぶことが重要」と話している。

利用時間、送迎範囲を確認

 

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 デイサービスの施設を選ぶときは、どんな点に着目すればいいのだろうか。

 まずは、延長利用を含め、利用できる時間が自分に十分かを調べよう。送迎の範囲に自宅が含まれているかも確認を。

 サービスに関しては、利用料の上乗せがある項目を見れば、施設が何に力を入れているかがわかる。例えば、「個別機能訓練」の上乗せがある施設は、理学療法士などのもとでリハビリや生活動作の訓練などを行っている。「認知症」や「中重度者ケア体制」が上乗せされた施設は、認知症の人を多く受け入れたり、職員配置を手厚くしたりしている。こうした情報は、厚生労働省がインターネット上に設ける「介護サービス情報公表システム」で調べられる。施設のホームページなどに載っていることも多い。

 近くにどんな施設があるかは、ケアマネジャーに聞くといい。通う目的や希望を伝え、合う施設を紹介してもらおう。施設の雰囲気や、職員などとの相性も重要だ。川崎市の桜寿園居宅介護支援センターのケアマネジャー、和久井純さんは「利用を始める前に、一度は見学や体験に行ったほうがいい」と勧めている。

 (小沼聖実)

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