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「カボチャ」からソウメン!?…岡山県瀬戸内市
夏野菜のおいしい季節。実を細くほぐしてそうめんのように食べる「ソウメンカボチャ」があると聞き、国内有数の産地・岡山県瀬戸内市を訪ねた。(二谷小百合)
ソウメンカボチャは、カボチャの仲間、
栽培が盛んな同市牛窓地区は瀬戸内海に面し、景色の美しさから「日本のエーゲ海」と呼ばれる。元々、カボチャの産地だったが、競合相手の多さから新たな特産品としてソウメンカボチャに着目した。1975年頃から栽培を始め、現在約35戸の農家が年間約300トンを出荷する。
海岸から1キロほど内陸に入ったJA岡山牛窓夏野菜部会長、山本和博さん(62)の畑を訪ねた。一面を覆う大きな葉をめくると、長さ25センチ、直径20センチ程度のクリーム色の長円形の実が土の上にゴロゴロとなっていた。「茎に細かいトゲのような毛が生えているから気をつけて」と山本さん。持ち上げるとずっしり重い。約2キロあるという。
植え付けは3月中旬。4月上旬からオレンジがかった黄色の花が咲き始める。一部は人の手で授粉作業を行い、5月末に出荷が始まる。7月中旬に最盛期を迎え、8月末頃まで収穫が続く。
「ゆでた時に実をほぐしやすくするには、畑で完熟させることが必要。熟していると指ではじくとカンカンと高い音が鳴るんです」。山本さんはそう言って、実際にやってみせてくれた。茎にハサミを入れると、「ジャキン」と予想以上に大きな音が鳴った。「熟すにつれ、丸かった茎も筋張って星形に近づく。切るのに結構力がいる」という。
収穫した実を半分に切ってもらった。断面は白っぽく、中心部にはカボチャのように種やワタがある。顔を近づけると、ほのかにカボチャの香りを感じた。「味はカボチャよりあっさりしている。色んな食べ方をして、味わってください」と山本さん。
持ち帰ったソウメンカボチャを調理してみた。ゆでた後、冷水の中でほぐす作業が楽しい。カニ風味かまぼことマヨネーズであえてサラダにしたり、マイタケや豚肉といためたりした。シャキシャキとした歯ごたえがアクセントになり、おいしい。暑さで食欲を落としがちなこの時期でも、たくさん食べられそうだ。
メモ JA岡山はホームページやチラシなどで調理法などを紹介している。
〈 1 〉実を3、4等分に輪切りにし、種とワタを取り除く〈 2 〉沸騰した湯で8分ほどゆでる〈 3 〉冷水にとって麺状にほぐす〈 4 〉水気をしぼる――が基本手順。JA岡山瀬戸内営農センターの今吉嘉文さん(52)は「ゆですぎたり、温かいまま置いていたりすると味が落ちるので注意して」と話す。
そうめんのように麺つゆをつけて食べるほか、ポン酢、ドレッシングなどをかければサラダ感覚で味わえる。
JA岡山・一本松直売所(0869・25・1900)から取り寄せられる。1玉500円程度(送料別)。
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