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医療・健康・介護のニュース・解説

がんで死亡するリスクを減らすには…斎藤博さん

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斎藤  いろいろありますが、根底に大きな誤解があります。検診は、患者さんではなくて、健康な人が対象です。「健康な人が受けるもの」ということが理解されていないので、「自分には不具合がないから受けない」という意見が、以前の調査などでも過半数を占めて、一番の理由になっています。

図2 BS日テレ「深層NEWS」より

図2 BS日テレ「深層NEWS」より

 もうひとつは、「あまり見つからないから受けない」というのがあります。がんが見つかる度合いと、検診の価値・効果との関係を理解していただくのが、なかなか難しい。

 「肝心なものが見つかるかどうか」が問題なんです。つまり、がん検診は非常にわかりにくいことから、受診を妨げている面があります。どんな検診を受けるべきなのか、受けるとどんなメリットがあるか、しっかり知っていただくと、もっと受診する方が増えると思います。

――普通の健康診断を受けると、「健康診断イコールがん検診なのでは?」と思ったりします。バリウムを飲んで胃を見てもらい、レントゲンで肺を見てもらう。「これ、がん検診につながるのだろう」と思うのです。違うものなのでしょうか?

斎藤  「健康」の「健」の字の方の「健診」と違い、「がん検診」は、「がんがありそうではないか」、「がんの危険がないか」を調べます。ここで求められるのは、「がんで亡くなるのを防ぐ」という目的を実際に達成できるかの、科学的根拠です。ですから、普通の「健診」よりも、「がん検診」の方が、効果について品定めがしやすいと言えます。もちろん科学的根拠がある検診に限りますが。ただ、有効な検診はなかなか、作りにくいという面はあります。

――町の声の中には、「たいしたことないのに、再検査になった。手間がかかってたまらない」という意見もありました。これも、受診を遠ざける理由のひとつでしょうか?

斎藤  それもあります。ふたつ申し上げたいことがあります。ひとつは、科学的根拠がある検診結果を受けた後、がんで亡くなるリスクを減らすことは、精密検査が必要とされた場合に、精密検査を受けて初めて達成されるのです。だからこそ、しっかり受診すべきなのですが、それが理解されてないのかな、と思います。もうひとつ。がん検診にはメリットだけではなく、デメリットもあるのです。「異常あり。がん疑い」との結果が出たら全ての人ががん、ということだと分かりやすいのでしょうが、がんでない人の方が多いのです。

――大雑把に言ってどのくらいの割合ですか?

斎藤  検診の結果「がんの疑いがある」とされた人が、実際がんである割合は、多くて10パーセントぐらい。大体5パーセントとか、あるいはそれ以下で、“空振り”も多い。ただ、「がんの疑いがある」とされた人が、しっかり精密検査を受けていただくことで、死亡リスクを減らすことが可能なのです。難しいのですが、それを理解していただく必要があります。

――がん検診に行くには、心情的には、「今日はちょっと怖いな」という気持ちもあるかも知れませんね。

斎藤  受診しない方の中には、がんへの恐怖が先行して、行動につながらない方も一定割合いらっしゃることもわかってます。

5種類のがん検診をきちんと受ける

 国は5種類のがんの検診を推奨している。胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮 (けい) がん。では、なぜこの5種類つなのだろうか。

図3 BS日テレ「深層NEWS」より

図3 BS日テレ「深層NEWS」より

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