文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

ニャるほど!社会保障

医療・健康・介護のニュース・解説

生活保護って何?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

自活難しい時の安全網

生活保護って何?

id=20170718-027-OYTEI50005,rev=2,headline=false,link=false,float=left,lineFeed=true

生活保護って何?

 Q 失業したり、病気になったりしたら、どうやって生活すればいいのかな。

 A 生活保護という仕組みがあるよ。憲法で、国民には「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(生存権)があると定められている。生活が困窮しても、この生存権が守られるように、国がお金を支給するんだ。

 Q じゃあ、働かなくても暮らしていけるわね。

 A 勘違いしないでね。受給できるのは、努力してもなお、生活が苦しい場合に限られているよ。健康で仕事が見つかるなら、まずは働かなくてはいけない。親族からの援助や年金などの社会保障制度を活用しても、自力での生活が困難だと、自治体が認定すれば受給できる。

 Q そうなんだね。金額はどれくらいもらえるの?

 A 使い道に応じて「生活」「住宅」など8種類の「扶助」があり、組み合わせて支給される。居住地や世帯の人数によって決まる「最低生活費」を、年金や勤労による収入が下回る場合に、差額が支給される。たとえば、東京23区のアパートで暮らす3人世帯(33歳、29歳、4歳)では、生活扶助と住宅扶助を合わせて月23万円程度になるよ。

 Q 受給している人はどのくらいいるの?

 A 今年2月時点で、およそ163万世帯、214万人いる。受給世帯数はこのところ年々増え、生活保護にかかる費用は約3・8兆円にのぼる。特に増えているのが、全体の半数以上を占める高齢者世帯だ。20年前の約3倍だ。

 中には虚偽の申告をして不正に受給する人もおり、国は罰則を強化するなど対策を講じている。ただ、生活保護は、様々な支援制度からこぼれてしまった人を救う、最後のセーフティーネット(安全網)なんだ。受給の要件を厳しくして、本当に必要な人が受給できなくなるのも困ってしまう。

 生活保護制度では、受給者を対象にした就労支援事業も行われている。ただ保護費を支給して終わりではなく、自立を後押しする視点を大切にしたいね。(小沼聖実)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

PIP160404YTE050009000-000

ニャるほど!社会保障
 「猫ピッチャー」の作者、そにしけんじさんの話「社会保障は難しいイメージもありますが、実は身近で大切な問題。若い人も含めて、自分たちの生活を考えるきっかけにしてほしいです」

ニャるほど!社会保障の一覧を見る

最新記事