文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

いちばん未来のシニアのきもち

コラム

どうして何度も尋ねるの?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

高齢になると、集中力も低下する

 もしかしたら?

 女性は、周囲がうるさ過ぎてよく聞こえなかったため、何度も尋ねたのかもしれません。

 あるいは、説明が長すぎて理解できず、もう一度最初から聞きたかったのかもしれません。

 高齢になると聴力が落ちてきますが、このほかにも記憶力や注意力、集中力も低下してきます。一度に受ける情報が多過ぎると、すぐには処理できなくなるのです。

 今回のように、「厚めの輪切りにして、中の種とワタを取り除き、熱湯で20分ほどゆがいて――」と続くと、最後の「おしょうゆをつけて食べるとおいしい」という部分だけを選択して記憶してしまうこともあります。

 高齢者に何か説明をする時は、できるかぎり簡潔に伝えることが大切です。

 文節は短く、ひとつひとつ伝えましょう。話し始めに、重要なことも言いましょう。

 「これはカボチャではなく、ソウメンカボチャと言います」

 「カボチャとは、調理方法が違うんですよ」

 「まずは、厚めの輪切りにします」

 「次に熱湯で、20分間、ゆでてください。」

 「ゆで上がったものを、冷水にとります」

 説明しながら相手の反応を見て、十分理解している、話が伝わっている、と確信できたら、ゆっくりと次の説明に入りましょう。

 どうしても説明が長くなってしまう場合は、口頭での説明は短めにして、説明を書いたものをお渡しするのもよいでしょう。

 「高齢者は何度も同じことを聞いてくるから面倒だ」と思う前に、自分の伝え方を振り返ってみる余裕があるとよいですね。

(イラスト:小牧 真子)

2 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

logo_235b

宮本典子(みやもと のりこ)

 慶成会老年学研究所主任研究員。 臨床心理士。

 聖心女子大学文学部歴史社会学科人間関係(現人間関係学科)卒業。

miyamoto_100-120

 主に認知症高齢者、高齢期のうつ病の心理療法及び介護家族の心のケアにかかわる。自宅で暮らす高齢者や認知症の人を対象に、情緒の安定や認知機能の低下予防をめざす心理療法プログラム「ユリの木会」を運営している。共著に「認知症と診断されたあなたへ」(医学書院)、編著に「いちばん未来のアイデアブック」(木楽舎)がある。

慶成会老年学研究所

 高齢社会に関する心理学的、医学的臨床、研究、及び教育・研修を行う研究所として、1988年に設立。現在、心理学の専門家によって、高齢者と家族を対象にしたカウンセリング、専門職や一般企業への教育・研修と、高齢者と高齢社会に関する学際的な研究を行っている。

いちばん未来のシニアのきもちの一覧を見る

2件 のコメント

コメントを書く

老年学と健康な老人

69歳の男

老年学は老人に何が起きるかのうち老化現象だけを研究するのでしょうか。 そしてその中で起きる、老化した老人に対する対処の方法を啓蒙するのでしょうか...

老年学は老人に何が起きるかのうち老化現象だけを研究するのでしょうか。
そしてその中で起きる、老化した老人に対する対処の方法を啓蒙するのでしょうか。
私は今69歳で健康で普通に働きたいし、働かなければ、家族に食べさせられず、生活保護を受けなければならないかもしれません。
しかし、老化した老人だけが老人であるかのようなニュースしか出てこないと、応募しても門前払いの状態が多く、採用してもらえるのは、頭脳労働でなく、一番不得意な給料の安いスーパーの品出しやそういった類いの仕事のみです。
老人学の発表にほぼ健康で、例えば膝痛などの軽度の肉体的衰えがあるけれど、充分頭脳労働が可能な人の割合などを広めてくれるような方向もないと、老人の可能性やチャンスを奪う結果になるのではないでしょうか。

つづきを読む

違反報告

イメージする力の衰え

めざめたじいさん

間もなく83歳になります。 病身の妻に言いくるめられて、4年間男の料理教室に通いました。 クックパッドを参考に、毎日のように料理をしています。 ...

間もなく83歳になります。
病身の妻に言いくるめられて、4年間男の料理教室に通いました。
クックパッドを参考に、毎日のように料理をしています。

さて、件の女性、説明を受けているときは、頭で分かっていても、その状況=料理中の映像=が見えていないのです。
あるいは、別のことに気を取られていて、頭に入っていないのでしょう。

よく言う「見える化」が必要です。
絵や文字に書いて、作業の手順を図や指示線などで説明すると、ある程度分かってもらえるはずです。

私が料理するときは、クックパッドの画面を印刷して、ファイルに入れて、見ながらつくります。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事