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いちばん未来のシニアのきもち

コラム

どうして何度も尋ねるの?

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 こんにちは、慶成会老年学研究所の宮本典子です。

 高齢者は、超高齢社会のいちばん先をいく人たちです。共に生きやすい社会をつくることは、次の世代の未来をつくることになると思いませんか?

 最近、企業の方から「円滑に高齢者とコミュニケーションがとれるような研修をしてほしい」と頼まれることが増えてきました。中でも多いのが、「高齢者が何度も同じ質問や発言を繰り返すので、対応に困る」というものです。

 たとえば、こんな場面です。

 何度も同じことを質問する高齢者

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 夕食の買い物客でにぎわう商店街の八百屋さんで、威勢のいい店員さんのそばに高齢の女性がやってきました。

 「この野菜は何ていうの? どうやって食べるとおいしいのかしら?」

 「あ、これ? ソウメンカボチャ(金糸瓜)! あのね、厚めの輪切りにして、中の種とワタの部分を取り除いてね、熱湯で20分くらいゆでるの! ゆで上がったら冷水にとって、中身をかき出してね、かき出したものをまた水にさらすと、ほうら、そうめんみたいっしょ? あ、皮は硬いので食べらんないよ。でね、おしょうゆをつけると、おいしいよ!」

 すると、説明が終わってすぐに……

 「これ、カボチャなの? どうやって食べるとおいしいの?」

 「……いや、カボチャとは違うやり方っすよ。あのね、厚めの輪切りにしてね、熱湯で20分くらいゆでてね、ゆで上がったら冷水にとって、中身をかき出すの! それで、かき出したものをまた水にさらして、食べるの! 皮は硬いから、食べられませんよ! おしょうゆなんかつけると、おいしいっすよ」

 一気に言い終わった店員さんに、ここでまた……

 「このカボチャはどうやって食べるのかしら?」

 「……」

 店員さんは、3度目の質問は、なかばあきれ顔で無視しました。高齢女性は、答えてもらえないとわかると、あきらめてその場を立ち去りました。

 いったい何があったのでしょう?

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宮本典子(みやもと のりこ)

 慶成会老年学研究所主任研究員。 臨床心理士。

 聖心女子大学文学部歴史社会学科人間関係(現人間関係学科)卒業。

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 主に認知症高齢者、高齢期のうつ病の心理療法及び介護家族の心のケアにかかわる。自宅で暮らす高齢者や認知症の人を対象に、情緒の安定や認知機能の低下予防をめざす心理療法プログラム「ユリの木会」を運営している。共著に「認知症と診断されたあなたへ」(医学書院)、編著に「いちばん未来のアイデアブック」(木楽舎)がある。

慶成会老年学研究所

 高齢社会に関する心理学的、医学的臨床、研究、及び教育・研修を行う研究所として、1988年に設立。現在、心理学の専門家によって、高齢者と家族を対象にしたカウンセリング、専門職や一般企業への教育・研修と、高齢者と高齢社会に関する学際的な研究を行っている。

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1件 のコメント

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イメージする力の衰え

めざめたじいさん

間もなく83歳になります。 病身の妻に言いくるめられて、4年間男の料理教室に通いました。 クックパッドを参考に、毎日のように料理をしています。 ...

間もなく83歳になります。
病身の妻に言いくるめられて、4年間男の料理教室に通いました。
クックパッドを参考に、毎日のように料理をしています。

さて、件の女性、説明を受けているときは、頭で分かっていても、その状況=料理中の映像=が見えていないのです。
あるいは、別のことに気を取られていて、頭に入っていないのでしょう。

よく言う「見える化」が必要です。
絵や文字に書いて、作業の手順を図や指示線などで説明すると、ある程度分かってもらえるはずです。

私が料理するときは、クックパッドの画面を印刷して、ファイルに入れて、見ながらつくります。

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