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ミュージシャン 野沢秀行さん

一病息災

[ミュージシャン 野沢秀行さん]腰痛(2)「大丈夫」と無理重ねた

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 激痛に耐えかね、大学病院で手術を受けた。曲がっていた腰を伸ばせるようになり、痛みは消えた。心配した後遺症もなかった。

[ミュージシャン 野沢秀行さん]腰痛(2)「大丈夫」と無理重ねた

野沢秀行さん=松本拓也撮影

 リハビリを含め約3か月の入院生活では多くの人が見舞いに来てくれた。ただ土日の夜は度々発熱した。見舞客を前にすると、「大丈夫」と元気を装ってしまう。弱った様子を見せまいと虚勢を張るのだが、体には負担がかかった。

 消灯時刻。病棟が静まり返る。「このまま何もできないのでは」と不安にかられた。そんな時、患者仲間が心の支えになった。「頑張ろう」と語り合うと、力が湧いてきた。

 退院後はゴルフをするなどし、痛みを忘れた。9年後の1996年春、腰に違和感を覚えた。病院を受診すると、再び椎間板ヘルニアと診断された。「治ったのではなかったのか」。納得できなかった。

 7月。サザンオールスターズは翌月にコンサートツアーを控えていた。毎日10時間近い練習が始まった。痛みをこらえてパーカッションをたたいた。周囲から心配されても「大丈夫」と繰り返した。メンバーに迷惑をかけたくない。ファンのためにも休めないという意地があった。

 だが気持ちはあっても、痛みは増すばかり。練習の合間に寝転がって休んだが演奏のレベルは下がってきた。本番まで十数日。ツアーの不参加を決めた。「不用意に『大丈夫』とは言わない。腰の状態は正直に伝えよう」と誓った。

 

  ミュージシャン(サザンオールスターズ) 野沢秀行さん(62)

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