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「同じ悲しみ二度と」無痛分娩の女性死亡、夫が安全対策の重要性訴え

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「同じ悲しみ二度と」無痛分娩の女性死亡、夫が安全対策の重要性訴え

神戸市の産婦人科診療所で無痛分娩の麻酔後に意識不明となり、回復することなく1年8か月後に亡くなった女性(遺族提供)

 出産の痛みを麻酔で和らげる無痛 分娩ぶんべん を巡り重大事故が相次ぐ中、神戸市の産婦人科診療所で麻酔後に意識不明となり、今年5月に死亡した女性の夫(32)が、東京都内で読売新聞の取材に応じた。夫は「同じ悲しみをもう誰にも味わってほしくない」と再発防止への思いを語った。

 この女性は2015年9月、神戸市西区の「おかざきマタニティクリニック」で麻酔後に体調が急変。搬送先の大学病院で意識が戻らぬまま1年8か月後に35歳で亡くなった。生まれた男児(1)も重い障害を負い、今も入院中だ。

 夫によると、事故当時、医師は院長1人で、2階の分娩室で麻酔薬を入れてから外来診療のため1階に戻り、急変への対応が遅れた。「息ができない」。女性はか細い声で言った後、意識不明に。麻酔の管が誤って別の場所に入ったのが原因という。

 夫は搬送先の麻酔科医から「麻酔後、急変に備えて見守るのは当たり前」と聞かされ 愕然がくぜん とした。

 無痛分娩は、女性が希望したわけではない。小柄で難産が予想されたため、院長から勧められた。夫は、同僚の妻が海外で無痛分娩をした経験を聞いたことがあり反対しなかった。「複数の医師がいる大病院で行われる海外と、日本の事情が違うという重要な事実を知らなかった」と悔やむ。

 初産で、わが子との対面を待ち望んでいた。おなかをけられると、いとおしそうに手を当てた。「どんなに子どもと一緒に過ごしたかったろうか」と思うと胸が張り裂けそうになる。

 夫は「産院選びは、見た目のきれいさや食事のおいしさなどより、医師の技術や経験、安全対策が一番重要と伝えたい」と訴えた。

 診療所の代理人は「現時点ではコメントできない」としている。

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