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コラム

赤ちゃんがどこから来るか、はわかった…次の疑問は?

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赤ちゃんがどこから来るか、はわかった…次の疑問は?

 今月初め、英字紙「ジャパン・ニューズ」に掲載された記事に目が留まりました。「赤ちゃんはどうしてできるのか」という見出しで、米ロサンゼルス・タイムズ紙からの転載原稿です。筆者は「ムンクを追え! 『叫び』奪還に賭けたロンドン警視庁美術特捜班の100日」などで知られるアメリカの作家エドワード・ドルニック氏でした。

 記事を簡単に紹介します。

 どこの国の文化でも、赤ちゃんはすばらしいものだという点に疑問をはさむ者はいない。ただ、ずいぶん長いこと、赤ちゃんがどこから来るかについては、わかる者はいなかった。レオナルド・ダヴィンチも、ガリレオも、ニュートンも――いずれの科学の巨人さえ知らなかった。

 男女の性の営みの結果、赤ちゃんができることもあれば、できないこともあることはわかっていた。が、女性が卵子をつくることは知られていなかった。その後、精子の存在がわかったが、赤ちゃんや妊娠との関わりが考えられるどころか、精子は、寄生虫の一種と思われた。

 1875年に、ウニの受精を観察したドイツの科学者オスカー・ヘルトウィヒが受精卵の由来を明らかにするまで、この謎は続いていた。

 さて、今日の科学者がまだ答えられない疑問がある。

 赤ちゃんはどこから来るの?ではなく、意識はどうやって生まれるの?だ。

 自分で行き先を決めたり、警笛を鳴らしたり、チェスをしたりできるロボットが部品の集合体でしかないのに、なぜヒトは自己を認識でき、においや光景や記憶の海を泳げるのだろう。

 「今や、10歳のこどもでも、赤ちゃんがどこから来るかに答えられる時代。意識についてもあと何世紀かたてば、それまでの議論がおかしく思える日が来るだろう」とドルニック氏は記事を締めくくっています。

 改めて記事の筆者紹介を見ると、これは、ヒトの誕生に関する近著 “The Seeds of Life: From Aristotle to da Vinci, from Sharks’ Teeth to Frogs’ Pants, the Long and Strange Quest to Discover Where Babies Come From”(訳すと、「命の種:アリストテレスからダヴィンチまで、サメの歯からカエルのズボンまで、長くて不思議な発見の旅 赤ちゃんはどこから来るの?」でしょうか)を紹介しているようでした。

 ここでは、だいぶ省略してしまいましたが、この記事だけでも、「赤ちゃん」議論の過程が、人類の歴史とその発展、それに社会通念の変化と直結しているとわかって、とても面白そうでした。

 それにしても、意識がどのように生まれ、どこへ去るのかについて、我々の世代が死ぬまでに知ることができないだろうことは残念。自分が死ぬ時には、意識がどこへ去るのか、くらいはわかるかもしれないけれど、こちらも他人に伝えるすべはないでしょう。

(ヨミドクター編集長 堀川真理子)

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2件 のコメント

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自然の営み

黒猫

赤ん坊は他の生物がそうであるように、自然の営みの中でできるもので、必要以上に神聖視するのはどうかと思います。 赤ん坊も姉ちゃんもおっちゃんも爺ち...

赤ん坊は他の生物がそうであるように、自然の営みの中でできるもので、必要以上に神聖視するのはどうかと思います。
赤ん坊も姉ちゃんもおっちゃんも爺ちゃんも平等な命です。
出産、育児は大変な労力で、社会が助けなければならないのは間違いありませんが、極めてプライベートなことでもあります。
気を遣ってくれている周囲への配慮や感謝の気持ちも忘れてはなりません。

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いるでしょう? その人たちは子供が素晴らしいものとは考えていないの可能性もあるのでは? よって疑問を挟むものはいると考えられます。 私自身も疑問...

いるでしょう?
その人たちは子供が素晴らしいものとは考えていないの可能性もあるのでは?
よって疑問を挟むものはいると考えられます。
私自身も疑問を持つ者の一人。

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