教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
乳がん、気をつけることは?
普段から鏡でチェック
Q 乳がんで闘病中だった小林麻央さんが34歳の若さで亡くなって、悲しいです。
ヨミドック 私も残念です。乳がんは30歳代後半から増え始めます。40歳代後半と60歳代前半にピークがあり、70歳以上でも発症します。一方で5年生存率は90%程度と高く、治療で救える人は比較的多いがんなのですが。
Q 麻央さんの世代で乳がんになる人は多いの?
ヨ 全体から考えると少ないです。2006年のデータでは、乳がんと診断された約5万人のうち、35歳未満は2・4%でした。
Q 若い人の乳がんは、治療が難しいの?
ヨ 他の年齢の乳がんの人と同じです。ただ、しこりなどの異変に自ら気付いて病院に来る人が多く、進行して見つかることも多いです。35歳未満では、しこりの大きさが2・1センチ以上で見つかった人の割合が、35歳以上より高いことがわかっています。
Q 怖いなあ。どうしよう。
ヨ がんは一般的に高齢者に多い病気ですが、若くして発症する人の中には、遺伝性の乳がんの人もいます。乳がんの約5%は遺伝性と言われます。血縁者で50歳未満で乳がんを発症した人はいませんか。卵巣がんとの関係も指摘されています。卵巣がん経験者がいる人も注意が必要です。
Q その可能性があったら?
ヨ 原因とされる特定の遺伝子を血液検査で調べられます。家族にも影響が及ぶため、遺伝カウンセリングで説明を受けた上で、検査を受けるかどうか決めることが大切です。
Q 遺伝じゃなければ乳がんの心配はないの?
ヨ 遺伝でなくても様々な理由で乳がんになる可能性はあります。普段から自分でチェックしましょう。
Q チェックの仕方を教えて。
ヨ 鏡で乳房の変形や、左右の違いを見たり、指で触ってしこりがないか確認したりします。異変を見つけたら、すぐに病院を受診しましょう。40歳以上で定期的に検診を受けている人にも大事です。
(鈴木希/取材協力=向井博文・国立がん研究センター東病院乳腺・腫瘍内科医長、増田美加・NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク」副理事長)
ヨミドックは読売新聞の医療介護サイト「ヨミドクター」のお医者さんキャラです。
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