文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

安心の設計

介護・シニア

おむつ交換負担減…センサーで予測、効率化

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

筋トレ、自力でトイレ

 

おむつ交換負担減…センサーで予測、効率化

排せつのタイミングは、職員が持つタブレット端末に通知される(東京都練馬区で)

 介護をする上で負担が大きいのが、おむつ交換などの排せつケアだ。このケアにかける時間を大幅に短縮して、職員の負担を減らす取り組みが広がっている。最新のセンサーを使って尿が出る時間を予測したり、トイレに行く筋力を付けたりして、ケアにかける時間が2~3時間減らせた施設もある。高齢者もおむつを気にせず外出や外泊ができるようになるという。

 東京都練馬区の有料老人ホーム「SOMPOケア ラヴィーレ鷺ノ宮」で夕方、職員が携帯するタブレット端末のアラームが鳴った。画面を見ると、 膀胱ぼうこう がふくらんでいるイラストが出ている。3階で暮らす女性(91)の排尿時刻が近付いていることを示すサインだった。画面を確認した職員は女性をトイレに誘導した。

 このシステムは「DFree」といい、高齢者の腹部に重さ約70グラムの超音波センサーを貼り付け、尿が出る時刻を予測、無線で職員が持つタブレット端末やスマートフォンに知らせる仕組みだ。

 同施設では4月から導入し、現在は、入居者91人のうち、意思表示が難しかったり、排せつのタイミングが分からなかったりする19人がセンサーを付け、排尿のリズムをつかむ一助にしている。

 かつては1日10回程度、時間を決めて全員一斉におむつ交換などをしていたが、ケアの回数は高齢者1人あたり6~7回に減り、職員が排尿ケアにかける時間は、1日2~3時間削減できるようになった。この女性も認知症が進み、ほぼ寝たきりの状態だが、センサーを付けた後は服をぬらすことなく過ごせているという。

 同施設の介護リーダーの白石陽子さん(42)は「センサーが知らせてくれるので、経験の浅い職員でも排せつケアが的確にでき、職員の負担が減った」と話す。運営するSOMPOケアは今秋までに、全国115か所の施設にセンサーを導入する予定だ。

id=20170630-027-OYTEI50005,rev=3,headline=false,link=true,float=right,lineFeed=true

 富山県射水市の特別養護老人ホーム「射水万葉苑」は、規則的な水分補給などにより、入居者がおむつを外す取り組みをして、2015年2月以降には入居者約110人全員が日中はおむつを外して生活できるようになった。

 取り組み始めたのは10年から。以前は職員が1日5時間以上もおむつ交換にとられていたといい、介護長の川口裕子さん(52)は「おむつが外れたことで、家族との旅行や一時帰宅が可能になった人も多い」と効果を話す。

 施設に入居すると体を動かす機会が減り、水分補給も少なくなりがち。そこで、同施設は尿意や便意をもよおしにくくなる点に着目した。スポーツドリンクや紅茶、コーヒーなど様々な飲み物を常に用意して、1日8回は水分を口にするように促し、膀胱に尿をしっかりためられるようにした。

 また、おむつ交換にあてていた時間をトイレまでの歩行訓練や、体を動かすレクリエーションに費やせるようになり、栄養士らも協力して食物繊維の多い食事などを提供するようにしたという。

 亡くなる数日前まで自力で排せつができる人が増えるなど入居者の生活も改善したといい、川口さんは「昼も夜も何度もおむつを取り換えるのは、介護する側も大変だったが、入居者もつらかったと思う。少ない人数で仕事が回るようになった」と話している。

介護の苦労、排せつが最多

 

id=20170630-027-OYTEI50006,rev=3,headline=false,link=true,float=right,lineFeed=true

 おむつに頼らない排せつケアは、介護力の高さを示す指標の一つとして、全国老人福祉施設協議会が2004年度以降「おむつゼロ運動」を提唱して、研修会などを実施してきた。3月までに全国約100の施設が日中のおむつゼロを達成したという。

 一方、内閣府が13年に自身や家族に介護経験がある人約700人を対象に行った調査では、介護で苦労したこと(複数回答)として「排せつ(排せつ時の付き添いやおむつの交換)」を挙げた人が62.5%で最多だった。個人でも施設でも介護で最も大変なのが排せつケアといえる。

 施設では、排せつケアの負担が重いことに考慮して、時間を決めて一斉に行うケースが大半で、おむつに頼りがちになる。交換は一般に日中は2時間に1回、夜間は3時間に1回程度。1日約10回のケアをする施設が多いという。

 (大広悠子)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

安心の設計の一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事