文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

初めての介護

連載

[初めての介護](3)自宅暮らしに訪問介護

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ヘルパーが生活手助け

 

[初めての介護](3)自宅暮らしに訪問介護
id=20170627-027-OYTEI50010,rev=3,headline=false,link=true,float=left,lineFeed=true

利用者の自宅を訪れたヘルパーの女性(左)。訪問介護には、食事の調理などの家事を行う生活援助のサービスもある(東京都立川市で)

 高齢になって介護が必要になっても、住み慣れた自宅や地域で過ごしたい人は多い。そうした人たちの暮らしを支えるのが、ヘルパーによる訪問介護だ。どんなサービスが受けられるのだろうか。

  ■風邪がきっかけ

 6月上旬、東京都立川市で一人暮らしをする男性(87)の家の台所で、ヘルパーの女性がうどんをゆでていた。「お昼になったら、卵を落として食べてくださいね」。女性が声をかけると、男性は笑顔で小さくうなずいた。風邪で寝込んで動けなくなったのをきっかけに、4年前から介護保険の訪問介護を利用している。

 訪問介護は、ヘルパーらが利用者の自宅を訪れて行うサービスだ。主に「身体介護」と「生活援助」の2種類がある。利用できるのは、介護が必要な度合いを示す7段階の要介護度のうち要介護1~5の人。軽度の要支援1、2の人は市区町村による介護予防・日常生活支援総合事業で類似のサービスが受けられる。

 身体介護は、自分で食事や着替え、排せつ、入浴などをするのが難しい場合に、それを手助けすること。本人の体に直接触れて行う介助が中心となる。

 一方の生活援助は、利用者の暮らしを支えるため、本人や家族に代わり、ヘルパーが家事などを行うサービスだ。掃除や洗濯、調理、買い物などが含まれる。

 男性は、比較的軽い「要介護1」に認定されているが、手足がむくむ難病もあり、立ち上がる動きが苦手で、歩行も不安定だ。トイレに行ったり、着替えたりは自力でできるが、一人暮らしを維持するだけの家事をこなすのは難しい。

 そのため男性は、担当ケアマネジャーと相談をし、生活援助のサービスを受けている。「ケアステーション にんじん・立川」(同市)のヘルパーが週4回、日中に自宅を訪れ、昼食を作ったり、動きが不自由なため難しい2階建ての家の掃除をしたりする。男性は「ヘルパーの助けがあるから一人暮らしできる」。

 ただし、生活援助を利用する際には注意点もある。「利用者本人を直接的に支援する」のが目的のため、サービス内容が限られることだ。民間の家事代行サービスと違い、草むしりや家の大掃除などはできない。

  ■原則1割負担

 費用は、支援内容や時間の長さなどで異なる。厚生労働省の基準では、身体介護の場合、20分未満は1回1700円、20分以上30分未満が2500円、30分以上1時間未満は3900円程度。生活援助なら、20分以上45分未満が1800円、45分以上が2300円程度だ。自己負担は原則その1割で、所得が一定以上の人は2割。午後6時から午前8時までは割り増しとなる。

 費用は地域によっても違いがあり、男性の場合は、日中に生活援助を1時間10分利用し、費用は1回約2500円。自己負担は約250円だ。訪問介護以外のサービスも含め、月に1万円ほど支払っている。

 訪問介護などの在宅サービスを利用する際は、費用に限度額がある。要介護度ごとに設定され、要介護1は月額約17万円、最も重度の要介護5は月額約36万円だ。その範囲内の利用なら自己負担は原則1割。限度額を超えた分は全額自己負担となる(上限あり)。

  ■ケアマネと相談

 自宅暮らしを支える介護保険のサービスには、訪問介護のほか、通所や短期入所など様々なメニューがある。ケアマネジャーと相談し、サービスを適切に組み合わせることが大切だ。

事業所をチェック

 

 地域にどんな事業所があるかは、厚生労働省のホームページ(http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)で調べられる。候補の事業所については、費用や営業日・時間のほか、「ヘルパーの変更が可能か」「訪問日の変更やキャンセルは可能か」「介護福祉士などの資格を持つ人が何人いるか」「苦情対応の方法」などを直接確認したい。

 利用する際には、いつ何をしてほしいかを具体的に伝える。介護アドバイザーの青山幸広さんは「家族とヘルパー、ケアマネジャーがチームになることが大切」と話している。

 (粂文野)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

連載の一覧を見る

初めての介護

最新記事