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元サッカー日本代表 ラモス瑠偉さん

一病息災

[元サッカー日本代表 ラモス瑠偉さん]脳梗塞(3)現役時代も命の危機

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 リハビリは毎日3、4時間。「自分より苦しんでいる人がいる。何だ、この程度で」と踏ん張った。

[元サッカー日本代表 ラモス瑠偉さん]脳梗こう塞そく(3)現役時代も命の危機

 自らの発案でサッカーボールを使ったリハビリを取り入れた。最初は思うようにいかなかったドリブルもできるようになった。左足だけのリフティングは、発症前より多い25回も。妻や娘が「そんなこと、できるようになったの」と驚く顔を見ると、うれしくなり、訓練に力が入った。

 現役時代も2回、命の危機に直面している。来日して5年目の夏、オートバイの事故で足を複雑骨折する大けがをした。「頭から落ちたら命が危なかった。足も後遺症が残るかもしれない」と医師から言われたほどだった。「まだ親孝行をしていない。もう一回サッカーをやらせてください」。毎日神様に祈った。幸い、翌シーズンに復帰できた。

 その5年後、肺炎を患った。眠ろうと横になるとせきが出る。寝汗で寝間着を3回着替える夜が2週間も。「ただの風邪」と思ったが、雨で練習が中止になった日に、病院を受診した。「肺炎だからすぐ入院して」と言われた。日本語で説明された「肺炎」の意味がわからず、ブラジル大使館に問い合わせた。「あの日、あのまま練習に出ていたら死んでもおかしくなかった」

 そして脳 梗塞こうそく 。血栓の場所が1、2ミリずれていれば、厳しい状態も予想された。「神様がまだ逝くなと……。誰かに守られている」と思う。

  元サッカー日本代表 ラモス 瑠偉(るい) さん(60)

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