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家族性の高脂血症、リスク心配

 長年、家族性の高脂血症で困っています。悪玉コレステロールを下げる薬は全て試しましたが、筋肉が溶けていく副作用があり、今はエパデールやバファリンなど血液をサラサラにする薬のみ使っています。数値は300以上で、脳 梗塞こうそく のリスクが高いと言われ、心配です。(70歳女性)

ヘテロ型かホモ型か、異なる治療

寺本 民生 寺本内科・歯科クリニック院長(東京都文京区)

 診断名は、家族性高コレステロール血症だと考えられます。遺伝性疾患です。

 コレステロールを運ぶLDLは通常、受容体にくっついて肝臓などに取り込まれるので、血液中は正常な濃度が保たれます。しかし、この病気では、遺伝的に受容体に異常があって取り込まれず、血中のLDL―C(悪玉コレステロール)の濃度が高くなることで、心筋梗塞や脳梗塞などの病気になることが多いのです。

 心筋梗塞の発症リスクは通常の10倍以上で、若くして発症することが多いのが問題です。女性の発症リスクは比較的低いのですが、LDL―Cの値が300ミリ・グラム/デシ・リットル以上という数値はかなり高いので、治療が必要です。

 治療には、スタチンという薬が効きますが、この薬がよく効くヘテロ型と治療が困難なホモ型があり、治療法は全く異なります。

 スタチンは、筋肉が溶ける「横紋筋融解症」という副作用がごくまれに起こります。筋肉に関するほかの障害も含めると、約10%の割合で副作用が起こり、この場合、高用量のスタチンは使用できません。

 昨年、日本でも使えるようになった注射薬「PCSK9阻害薬」は、筋肉障害を起こさずLDL―Cを下げると確認されています。

 まずは専門医を受診しましょう。ヘテロ型、ホモ型によって、また、副作用に応じた治療法があります。

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