夏バテに備える
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[夏バテに備える](3)寝始めから3時間がカギ
疲労回復には質の良い睡眠が欠かせない。
ホルモンの働きに詳しいルネスクリニック(東京)院長の平野敦之さんによると、朝日を30分浴びると、目覚めをすっきりさせるホルモン「セロトニン」が脳内に分泌される。セロトニンは、肉や魚、卵などのたんぱく質からも合成されるため、朝食でとると、日中の活動が活発になる。
暗くなると、セロトニンから変化した、眠りを誘うホルモン「メラトニン」が分泌される。平野さんは「寝始めから3時間でぐっすり眠れるかがカギ」と話す。
平野さんによると、人は徐々に眠りが深くなり、1時間かけて一番深いノンレム睡眠に至る。そこから1時間かけて浅い眠りのレム睡眠に移る。眠っている間、ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返す。最初の3時間の途中で目が覚めたりすると、熟睡感が得られず、疲れが残ってしまう。
楽に眠るコツ。寝る2、3時間前に軽めの運動をする。入浴ではぬるめの湯につかると、いったん体温が上がって、下がる時に自然に眠りに入ることができる。
寝酒は厳禁。交感神経を刺激して脳を覚醒させてしまう。寝る30分前にはパソコンやスマートフォンを見るのをやめる。
暑さで寝苦しい時は、エアコンや扇風機の風が直接当たらないようにして、3、4時間で電源が切れるようタイマー設定するとよい。
加齢に伴いメラトニンの分泌量は減り、睡眠時間は短くなる。平野さんは「長さよりも熟睡感を得られるかどうかが大切です」と話す。(原隆也)
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