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麻木久仁子の明日は明日の風が吹く

コラム

東洋医学が教える「心」と「からだ」の関係

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現代の研究で裏付けられる先人の知恵

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クコの実が入ったお茶

 友人が「最近、ゴジベリーが流行はやっているのよ!」と聞き慣れない食材名を口にしました。どんな新食材かと思いきや、なんと薬膳では代表的な食材である「クコの実」だったので驚きました。

 クコの実といえば、よく杏仁豆腐アンニンドウフの上にのっている、あの小さな赤い実です。その 可愛かわい らしさもあって薬膳ではアイドル的食材ですが、かすみ目など目の不調に良いと言い伝えられてきました。近年、肌の抵抗力を強くし、紫外線対策になることがわかってきたと、先日見たテレビの情報番組でも言っていました。

 また麦茶の原料として知られる「ハトムギ」も、生薬名では「ヨクイニン」と呼ばれ、「イボを取る」と言い伝えられてきましたが、こちらも肌の再生を促すことがわかってきたそうです。長寿時代の「未病対策」として、東洋医学や漢方・薬膳への関心が高まりつつありますが、古くから伝わる先人の知恵の有効性が現代の研究で裏付けられるのは、薬膳を学ぶ者として興味深く、うれしいことです。

感情の動きはほどほどに!

東洋医学が教える「心」と「からだ」の関係

最近の「麻木久仁子の美彩薬膳講座」での私です

 東洋医学では、病気になる前や体調が崩れる前に養生することを基本としています。

 食だけではなく、よい睡眠をとってしっかり休養することや、季節の変わり目に特に気をつけることなど、生活全般に気を配ることが大切だと説いています。勉強していて印象深かったのは、体だけではなく、心についても重要視することでした。

 体の調子を崩し、病気を発症するまでには様々な要因があります。東洋医学では「七情」といって、七つの心の動き--「怒」「喜」「思」「悲」「憂」「恐」「驚」が体に大きな影響を与えると教えています。

 怒り過ぎたり、考え過ぎたり、悲しみに沈んだり……となると、確かに体に悪そうです。が、喜び過ぎるのもほどほどに、と教えるのが東洋医学の面白いところですね。「喜は気を緩める」といわれ、ほどほどならば良いけれど、緩みっぱなしで緊張感がなくてはバランスが悪くなるということです。

 過ぎたるは及ばざるがごとし。

 中庸を目指すべし!

 心も体も常にバランスが取れており、穏やかでいることが望ましいのです。

 中でも「恐」は、会社で厳しいノルマに追われながらしょっちゅう上司にどなられていたり、いつクビになるかわからないような状態になったりしていると、すぐに「過ぎて」しまいそうですね。「恐」という感情は「気が下がる」と言われ、生命力そのものを傷つけると考えられています。でも、現代人は感情が体にとっても重要だということを忘れて、「頑張らないのは甘えだ」という風潮を作ってしまったようですね。

 西洋医学が一般的になる前の日本人は、感情の不調が重大な結果につながることを重視し、心が傷つくことへの恐れをもっと実感していたのではないでしょうか。最近はうつなどの心の不調が体の不調と結びついていることが科学的にもわかってきて、心身相互の関係がより理解されつつあるのはよいことですね。

 日本人は休まず頑張ることや、弱音を吐かずに我慢することを美徳とする向きがあります。でも私は、先端医学の成果を尊重しつつも、古来の知恵に耳を傾けて心も体もしっかりと休ませることがとても大事だと思います。

 春から生活が新しい環境に変わって、そろそろ身も心も疲れている、という方も多いのではないでしょうか。ちょうどそんな頃合いに、梅雨のジメジメした時期が重なります。知らず知らずのうちに疲れがまっていないか、ご家族にも自分自身にも聞いてみてください。

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asagi

麻木久仁子(あさぎ・くにこ)
 1962年、東京都生まれ。学習院大学法学部中退。テレビ、ラジオ番組で司会者、コメンテーターとして活躍するほか、読書家としても知られ、本の紹介サイトHONZや新聞で書評を書いている。2010年に脳梗塞を発症。12年には両胸に発症した初期の乳がんの手術を受け、現在もホルモン療法中。講演会や取材などで闘病体験や検診の大切さを伝えている。2016年には国際薬膳師の資格を取得した。

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1件 のコメント

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及ばざるは

ベル

中庸について 及ばざるは過ぎたるに勝れり でして 過ぎたるは及ばざるが如しではありません。

中庸について
及ばざるは過ぎたるに勝れり
でして
過ぎたるは及ばざるが如しではありません。

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