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室伏由佳のほっこりスポーツカフェへようこそ

コラム

足と足裏の感覚を育てる! 関節の働きに迫る(下)

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 みなさん、ほっこりスポーツカフェへようこそ! 今回は足の機能とその重要性についてお話しします。まずは、体全体の仕組みについて、少し理論的なところからご紹介します。

関節別アプローチ理論とは?

 関節には、自由に動かす「可動性」と、固定したり、力や動きをコントロールしたりする「安定性」の機能があります。米国の理学療法士グレイ・クック氏らが広めた「関節別アプローチ(Joint-by-Joint Approach)」という理論では、各関節が、「可動性」と「安定性」のどちらかを主要な機能としており、役割の異なる関節が交互に積み上がって、身体を形作っているという考え方です。

 この関節別アプローチ理論は、リハビリテーションを行う理学療法士やスポーツ現場のアスレチック・トレーナーなどの実践に取り入れられています。私自身もアスリート時代の終盤に、トレーナーからこの理論を教わりました。身体のそれぞれの部位の機能を理解できるようになり、動作の不具合を補うエクササイズなどに生かしました。

関節ごとの役割と身体の動きの関係

 腕を上げ下げしたり、しゃがみ込んだりする基本的な動作を「機能的動作」といいます。みなさんは、肩が上がりにくい、高いところに置いてある物が取りにくい、物をまたごうとするときに体を前方に倒さないと膝が上がらない……などということはありませんか?

 痛みがあってかばっている時はもちろんですが、痛みはなくても機能的動作がしにくい、あるいは左右の動きに差があるというのであれば、それは身体が十分に機能していないのです。そういう時は、他の部位が動きの悪い部位を補うことになります。動きも偏りますし、代わりに動いてくれた部位にも痛みが生じかねません。

 私自身は、とても身体が柔らかいのですが、アスリート時代の終盤は、ひどい腰痛と右肩の神経障害に悩まされていました。痛みのために、動かしたい部位を思うように動かせず、その分、他の部位を動かして補おうとしてしまいます。何とか競技活動を続けましたが、そのうち、「代役」を務めることの多かった肩や股関節への負荷がかさんで、そこにも痛みが出始め、ついにそこの機能も損なうことになりました。

関節別アプローチに基づく各関節の主な役割

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室伏由佳(むろふし・ゆか)

 1977年、静岡県生まれ・愛知県出身。株式会社attainment代表取締役。2004年アテネオリンピック女子ハンマー投げ日本代表。円盤投げ、ハンマー投げ2種目の日本記録保持者(2016年4月現在)。12年9月引退。

 アスリート時代には慢性的な腰痛症などスポーツ障害や婦人科疾患などの疾病と向き合う。06年中京大学体育学研究科博士課程後期満期退学(体育学修士)。スポーツ心理学の分野でスポーツ現場における実践的な介入をテーマに研究。現在、スポーツとアンチ・ドーピング教育についてテーマを広げ、研究活動を継続。現在、上武大学客員教授、朝日大学客員准教授や、聖マリアンナ医科大学スポーツ医学講座、徳島大学医学部、中央大学法学部など、複数の大学において非常勤講師を務める。スポーツと医学のつながり、モチベーション、健康等をテーマに講義や講演活動を行っている。日本陸上競技連盟普及育成部委員、日本アンチ・ドーピング機構アスリート委員、国際陸上競技連盟指導者資格レベルIコーチ資格、JPICA日本ピラティス指導者協会公認指導師。著書に『腰痛完治の最短プロセス~セルフチェックでわかる7つの原因と治し方~』(角川書店/西良浩一・室伏 由佳)。

公式ウェブサイトはこちら

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