在宅訪問管理栄養士しおじゅんのゆるっと楽しむ健康食生活
医療・健康・介護のコラム
がん患者さんに栄養のサポートを(1)
私は芸能人のブログや芸能ニュースなどにあまり興味がないので、テレビやインターネットなどで見たり読んだりすることはほとんどありません。しかし、唯一ずっと気になっているブログがあります。それは乳がん闘病中の人気キャスター、小林麻央さんのオフィシャルブログです。
ちょうど1年前にご自身が進行性のがんであることを公表し、ひたむきに病気と闘っている「麻央さんの生の声」が聞ける場なので、一生懸命に応援しながら読んでいるファンや読者が多いと思います。
ブログで麻央さんは、入院生活が長く続いたものの、今年5月に退院して在宅医療に切り替え、「やはり我が家は最高の場所です」と気持ちを 綴 っていました。
私が訪問しているがん患者さんにも、「退院していかがですか?」と聞くと、「やっぱり自分の家が一番いい。患者じゃなくて、自分に戻れる場所だから。病院の白い壁を見つめながら時間が 経 つなんて嫌だった。家族の手料理も最高」と目をキラキラさせながら話していました。
その後、更新された麻央さんのブログでは、在宅療養を支えるご家族の負担を気にされていることが書かれていました。病院に入院しているとき、家族は「面会者」ですが、退院すると「在宅療養チーム」の一員です。家族の存在そのものが、麻央さんの病状に良い影響を与えてくれると信じています。
さて、今日のテーマは「がんと栄養」です。みなさんは「栄養をたくさん取ると、がんが大きくなる」という、まことしやかな 噂 を聞いたことはありませんか? また、「がんが栄養を消費してしまうから、どんどん痩せていくのは仕方がない」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに、「がん細胞」は正常細胞に比べてどんどん栄養を消費してしまいます。栄養が足りなくなると、今度は正常な筋肉や脂肪を分解して自分のエネルギーにしてしまいます。したがって、私たちもがんに負けないように、しっかりと栄養を補給する必要があります。
一度やせ細ってしまった筋肉をもとに戻すのは大変です。筋肉が減少すると、体力も免疫力も低下します。そうするとよけいに動けなくなり、食べ物を 咀嚼 し飲み込む筋肉も弱ってきます。そしてまた痩せていくという、負のスパイラルに陥ってしまいます。
栄養状態が悪いと、傷の治りが遅くなったり、感染症などの合併症を起こしたりする可能性が高くなるため、手術をしても回復が遅くなってしまいます。がんと闘うためには、早期から栄養状態を低下させないことが大切なのです。
2016年の診療報酬改定では、厚生労働省が定めている「栄養指導の対象となる特別食」に新たに三つの疾患が加わりました。それは、「がん」「摂食・ 嚥下 機能の低下」「低栄養状態」の三つです。「特別食」といえば、「糖尿病食」や「腎臓病食」などが挙げられます。これらは食事療法として広く認知されています。しかし「がん」でも栄養指導を受けられるということは、まだあまり知られていないのではないでしょうか。読者のみなさんやご家族などに、がんによる味覚障害や食欲不振でどんどん体重が減っている……という方がいたら、病院の管理栄養士に相談してみてください。
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