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コウノドリ先生 いのちの話

からだコラム

[コウノドリ先生 いのちの話]シートベルトは命綱

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 私の勤める病院は救命救急センターを併設していて、昼夜を問わず多くの患者さんが運び込まれてきます。その中には、交通事故に遭った妊婦さんも交じっています。

 妊娠しておなかが大きくなると重心が高くなり、転倒しやすくなります。とっさの瞬発力が鈍り、危険を避ける能力も落ちるともいわれています。海外の大規模調査によると、妊娠中は妊娠していない時の1・5倍以上、交通事故に遭いやすく、人生で最もリスクが高まる時期だということが明らかになっています。

 つまり、道を歩いていても車を運転していても、事故のリスクが高まるのが妊娠中なのです。特に、妊娠16~28週の「安定期」といわれる時期の妊婦さんが最もハイリスク、というデータもあります。だから私は妊婦健診の際、口酸っぱく言い続けています。「安定期だからといって、なめてはいけないですよ」と。

 車に乗る時は、運転席でも助手席でも、後部座席でも、シートベルト着用は絶対です。「おなかを締め付けて大丈夫?」と聞く方もおられますが、事故で吹っ飛ばされるリスクとは比べものになりません。

 実際に、シートベルト未着用の妊婦さんが運転中、事故を起こし、ハンドルでおなかを強打、子宮破裂で赤ちゃんを助けられなかった症例に居合わせたことがあります。ルールを守っていれば、別の人が運転していれば、少しは違った結果になっていたかもしれません。こんな悲しいことは、あってはならないのです。

 妊婦さんに言っておきたい。あなたは一人の身体ではありません。特に車に乗る際は要注意。大事なことだから繰り返しますが、どの席に座ってもシートベルトは命綱だと思って必ず締めるようにしてくださいね。

 (りんくう総合医療センター産婦人科部長、荻田和秀)

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