元関脇 貴闘力忠茂さん
一病息災
[元関脇 貴闘力忠茂さん]ギャンブル依存症(4)病気の怖さ講演で語る
「社員に迷惑をかけた自分が情けない。どうにかしないと」。2013年、医療機関を受診し、ギャンブル依存症のチェックリストに答えると、全項目あてはまった。これを機にギャンブルをやめた。
経営する焼き肉店は11店舗に拡大。東京都江東区の「ドラゴ横綱通り店」などに連日出勤し、きめ細かな接客を続ける。忙しく働くことで、ギャンブルを遠ざけている。
「ストレスがたまると、ギャンブルでスカッとしたいと思う時は今もある」。だが、社長思いの従業員たちが許さない。「今度やったら辞めますからね」
この病気の怖さを伝えるため、企業等で講演を重ねる。4月は大阪市のホストクラブで話をした。ギャンブルにはまるホストが多く、経営者が企画した。
「焼き肉のもうけは1品で100円程度。お金を稼ぐ大変さは分かっているのに、数百万円や数千万円を一晩で使ってしまう」「カジノは特に危ない。はまった人の多くは1、2年で借金まみれになる。自ら命を絶った人も。皆さんは目標を持って、着実な道を歩んでください」
昭和の大横綱・大鵬の孫でもある息子4人のうち、学生の3人が相撲で活躍している。依存症克服のその先に、貴闘力ジュニアの輝かしい未来が見える。
(文・佐藤光展、写真・田村充)
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元関脇
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