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認知症乗客、公共交通機関の8割が把握…対応マニュアルがあるのは6%

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 全国の公共交通機関の8割で職員や運転手が認知症とみられる乗客を見かけながら、対応マニュアルがあるのは6%にとどまっていることが、公益財団法人「交通エコロジー・モビリティ財団」の調査で分かった。

 同財団は9月にも、事業者向けのマニュアルを策定し、公表する方針だ。

 調査は、同法人が昨年8~11月、全国の鉄道、バス、タクシー会社381社を対象に実施し、190社から回答を得た。それによると、「駅構内をうろうろしていた」(鉄道会社)、「終点まで行き、降りないでいた」(バス会社)、「車内で失禁した」(タクシー会社)など8割の事業者が、認知症とみられる乗客に遭遇していた。

 しかし、認知症の人への対応マニュアルが「ある」とした事業者は6%。「今はないが、今後、作成の予定や考えがある」と回答したのも3割にとどまり、「作成予定はない」が6割に上った。従業員が認知症の人への対応を学ぶ機会も、「特に設けていない」が、7割以上に上った。

 同財団は「認知症を理解しないために、多くの事業者は困ったときには警察に連絡している。ただ、通報されると、家族は認知症の人の外出を制限してしまう恐れがある」と話す。

 同財団は昨年度、有識者でつくる検討会を設置。対策のあり方を議論してきた。検討会のメンバーで、仙台市内の会社にバスと電車で通勤しているという若年性認知症の丹野智文さん(43)は、「周囲の理解があれば、1人で出かけられる人は多くいる。対応法を学ぶ機会が広がってほしい」と話している。

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