文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

安心の設計

介護・シニア

デイサービス、質で競争…食にこだわり、レク充実

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
デイサービス、質で競争…食にこだわり、レク充実

 要介護高齢者らが施設に通って食事や入浴をしたり、介護予防に取り組んだりするデイサービスは、全国に約4万3000か所まで増えた。コンビニエンスストア(全国に約5万5000店)にも迫る勢いで、各事業所の競争も激しくなっている。「選ばれる施設」を目指し、サービスの質を上げる動きが活発化している。

 東京都大田区のデイサービス「東京マルシェ」は、長野県や香川県など約10か所の契約農家から直接仕入れた旬の野菜を使い、利用者に昼食(税抜き800円)を提供する。事業所内でスタッフが作るため、利用者はできたてが味わえる。メニューは日替わり。5月20日にはトマトとブロッコリーの卵いため、パプリカのマリネなどが並んだ。

 定員は1日10人で週50人。現在満員で、10人ほどの待機者がいる。区内から週2回通う渡辺なを子さん(89)は「野菜中心で栄養のバランスが良く、おいしい。ここに来るのが楽しみ」と話した。6月からは薬膳料理もメニューに加える。

id=20170602-027-OYTEI50003,rev=3,headline=false,link=true,float=right,lineFeed=true

新鮮な野菜を使った昼食を楽しむ「東京マルシェ」の利用者たち(東京都大田区で)

 経営するアグリマス(本社・東京都大田区)は元々、リヤカーなどを使った野菜販売の会社だ。現在もデイサービスの時間外に野菜販売やヨガ教室などを行っている。デイサービスでも昼食前、利用者にヨガで体を動かしてもらう。理学療法士の古谷由衣さん(27)は、「一人暮らしの人も多いので、明るい雰囲気を心掛けている」と話す。

 小滝歩社長(50)は「定員が少ないから安心安全な食事と運動を提供できる。この強みを生かし、地域の健康の拠点にしたい」と意欲をみせる。

 デイサービスで行われるレクリエーションの質を高める動きもある。BCCスマイル・プラスカンパニー(本社・大阪市)は2014年9月、民間資格「レクリエーション介護士2級」を創設。修了者は約1万6000人に上る。

id=20170602-027-OYTEI50005,rev=4,headline=false,link=true,float=right,lineFeed=true

レクリエーション介護士の浅田さん(左)らとともに、お年玉ゲームを楽しむ「ロゼホームつきみ野デイサービス」の利用者たち(神奈川県大和市で)

 通信教育(約3か月)や介護専門学校への通学(約12時間)などで、レクの計画づくりや高齢者とのコミュニケーション方法などを学ぶ。各地のデイサービスでも、資格を取った職員がレクの見直しに取り組んでいるという。

 同社にはレク介護士を有料で派遣する事業もある。5月24日には、神奈川県大和市の「ロゼホームつきみ野デイサービス」を、レク介護士の浅田直美さん(48)と 定村朗子じょうむらあきこ さん(44)が訪れ、利用者22人にオリジナルの「お年玉ゲーム」などを楽しんでもらった。

 おもちゃの紙幣が入ったお年玉袋を、利用者に3袋ずつ配布。じゃんけんで勝った人が負けた人から1袋もらい、最後に金額と使い道を発表する。「電子レンジを買いたい」「世話になっている子供にあげたい」などと盛り上がった。

 浅田さんは「手を使い、計算や使い道を考えることで頭も使う。自分で買い物をしない人も多いので、お金に接することで社会参加にもなる」と話す。参加した井出 貞子ていこ さん(79)は、「やったことのないゲームができて楽しかった」と笑顔を見せた。

 介護福祉士の高野博光さん(46)は「普段は編み物、書道、水墨画などの活動をしているが、レクの幅を広げたい。レク介護士に来てもらい職員の勉強にもなった」と話す。

 BCCスマイル・プラスカンパニーの伊藤一彦社長(42)は「おいしいものを食べる、楽しいことをするといった喜びを提供できるデイサービスが生き残っていくだろう」と指摘している。

通所施設、増え続け

id=20170602-027-OYTEI50004,rev=3,headline=false,link=true,float=right,lineFeed=true

 デイサービスは通所介護とも呼ばれ、介護保険が適用される。高齢者だけでなく、同居の家族も介護の負担軽減につながるため人気があり、2001年度末の9726か所から、15年度末には4万3440か所に増えた。

 だが、デイサービスが供給過剰となっている地域もある。このため5月下旬に成立した改正介護保険法では、特に増えている「地域密着型」のデイサービス(定員18人以下)について、市町村が供給に関与できるように見直した。

 事業開始に必要な指定申請に対し、現在のルールでは市町村は拒むことができないが、18年4月からは、一定の条件を満たせば指定しないことができる。

 (安田武晴)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

安心の設計の一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事