文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

初めての介護

連載

[初めての介護](2)困ったらケアマネジャーへ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

適切なサービスを提案

 

[初めての介護](2)困ったらケアマネジャーへ

 介護が必要になったけれど、どんなサービスを、どれぐらい利用すればいいのかわからない。そんなとき頼りになるのがケアマネジャー(介護支援専門員)だ。地域の事情に詳しく、生活全体を見通した提案をしてくれる。安心して暮らし続けられるよう、しっかり相談したい。

  ■要望聞き

 熊本市内の女性(90)は、3月に「要介護1」の認定を受けた。今年に入り、足腰が弱って通院や食事に不安が出てきたのがきっかけだった。

 ケアプランの作成を頼んだのは、同市の居宅介護支援事業所「ファーマダイワ」のケアマネジャー、八木浩嗣さん(39)。相談の場には、横浜市在住の長女(67)も同席した。八木さんは、「自宅で自分のペースで暮らしたい」という女性の希望と、長女の「きちんと暮らせているか心配」という思いを踏まえてプランを練った。

 持病の状態の確認や見守りを兼ねて、介護保険を利用した訪問介護は、毎日受けることにした。自宅を訪れたヘルパーに、掃除や食事の準備を手助けしてもらう。医師や薬剤師にも訪問してもらうことにした。

 「自分のペースで」という女性の希望を尊重し、日帰りで出向いて食事や入浴などの介助を受けるデイサービスは利用しなかった。

 八木さんは、介護保険以外のサービスも提案した。病状の確認には、医師と相談の上、後期高齢者医療制度を用いて訪問診療や訪問看護を受ける。収集所までのゴミ出しは、熊本市が独自に行うサービスを利用。孤立を防ぐため、地域で月1回開かれる交流会に顔を出すことも勧めた。

 長女は「高齢者に対し、こんなに多くの支援があるとは知らなかった。母の生活全体の見通しがつき、安心した」と笑顔を見せた。

id=20170529-027-OYTEI50008,rev=3,headline=false,link=true,float=right,lineFeed=true

食事の準備や外出時の様子など、困りごとはないか尋ねる河合さん(東京都町田市の鶴川第2高齢者支援センターで)

  ■何でも話して

 高齢者の生活を支えるのは、介護保険のサービスだけではない。自治体やボランティアが行うものも、たくさんある。そうした地域の資源を、個々のニーズに合わせて組み合わせていくのがケアマネジャーだ。

 東京都町田市の鶴川第2高齢者支援センターの看護師で主任ケアマネジャーでもある河合朋子さんは「困っていることや心配なことがあれば、何でも話してほしい」とする。本人には聞かせたくない内容がある場合は、家族が別途相談することも可能。

 要介護度が高い場合や、持病がある場合は、利用するサービスが多くの事業者にまたがるのも一般的で、全体をまとめるケアマネジャーの役割は大きい。要望があるときは、遠慮せずに伝えたい。土日や夜間に対応してくれる人もいる。

 きちんと話を聞いてくれないなど、対応に不満がある場合は、ケアマネジャーを変更することもできる。変更を直接言い出しづらい時は、地域包括支援センターに申し出て、意向を伝えることもできる。

自分に合うマネジャー探すには

 

 どうしたら、自分に合うケアマネジャーを見つけることができるのか。

 ケアマネジャーごとに得意分野もあるので、まずは市町村の窓口や近くの地域包括支援センターに相談するといい。持病がある熊本市の女性の場合は、地域包括支援センターが医療機関との連携経験が豊富な事業所として紹介した中から、実際に会って話を聞いて選んだという。

 インターネットで公表されている情報もヒントになる。厚生労働省が運営する「介護サービス情報公表システム」で検索すると、事業所ごとに、ケアマネジャー1人あたりが担当している高齢者の数や、経験年数5年以上の割合などがわかる。

 神奈川県内の公表システムを運用している「かながわ福祉サービス振興会」の谷川謙さんは「利用者の要介護度分布などもヒントになる」と話す。多様なサービスを利用する要介護度の高い人が多い事業所には、幅広いニーズに応えられるケアマネジャーがいる可能性が大きいからだ。

 (大広悠子)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

連載の一覧を見る

初めての介護

最新記事