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娘が葉状腫瘍に、全摘出すべきか

 40歳代の娘が昨年、葉状腫瘍と診断されました。切除した腫瘍は7センチで、検査の結果、がんになる確率が高いとして乳房の全摘出を勧められました。娘は、それには応じないで経過観察の通院をしています。がんへの移行が心配ですが、この病気の情報が少なく、悩んでいます。(78歳女性)

腫瘍の性格、大きさから判断

向井 博文 国立がん研究センター 東病院乳腺・腫瘍内科医長(千葉県柏市)

 葉状腫瘍は乳房に発生する大変まれな病気で、顕微鏡でみると、植物の葉に似た形をしていることから名付けられました。一般的な乳がんとは全く異なります。腫瘍の性格により、良性型、境界型、悪性型の3種類に分類されます。

 良性型の場合、手術で取りきれば、ほとんど転移することはありません。悪性型の場合は、手術をしても3割程度は転移が起こります。手術したすぐ近くから再び出ることがあり、これを局所再発といいます。局所再発は良性型でも起こる可能性があるので注意が必要です。

 治療の際に重要なのが、切除の仕方です。腫瘍の辺縁から少なくとも1センチぐらい余裕をもって全部切除することが勧められています。この「1センチの余裕」があるかどうかで、局所再発の可能性が全然違ってきます。

 葉状腫瘍すべてに乳房の全摘出が必要なわけではなく、腫瘍の性格、大きさなどを考慮して、患者さんごとに判断します。

 葉状腫瘍が乳がんに移行することはありませんが、良性型から他の型に移行することはあります。経過観察の場合は、特に悪性型であれば、半年に1度はコンピューター断層撮影法(CT)などで慎重にみていく必要があります。

  わき の下のリンパ節転移はほとんど起こらないので、切除は行いません。

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