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公的年金って、どんな仕組みなの?
人生のリスクに備え
公的年金って、
どんな仕組みなの?
Q 公的年金に、たくさんのお金が使われているって聞いたわ。
A 公的年金は国が運営している年金制度だよ。民間の保険会社が運営する私的年金と区別するため、こう呼ばれている。2017年度は55兆円が公的年金として、国からお年寄りなどに支払われる見通しだよ。
55兆円のうち約7割は、働く世代の人たちが納める保険料。約2割は国が集めた税金、残りの約1割は、公的年金のために積み立てているお金などが充てられるんだ。
Q 年金を受け取るのはお年寄りなの?
A お年寄りが主だけど、障害がある人、大黒柱を亡くした遺族も受け取れるよ。お年寄りへ支払われる公的年金は「老齢年金」と呼ばれ、原則65歳になると受け取ることができる。
年を取ると多くの人は、若い頃のように働いてお金を稼ぐことが難しくなるので、生活が成り立たなくなってしまう。だから社会全体で支え合う仕組みとして公的年金が必要なんだ。働く世代の人たちがみんなで、お年寄りに仕送りをしていると考えればいい。
Q 若い頃から自分で貯金しておけばいいのでは?
A 貯金だけで老後の生活を送れる人は少ない。それに、何歳まで生きるかわからない。老齢年金は死ぬまで受け取れるんだ。金額は人によって違うけれど、お年寄り世帯の年間平均所得のうち、7割近くは公的年金が占めている。暮らしに欠かせないお金だね。
Q 年金って、大切なものなのね。
A 若い人にも、事故や病気で障害を負った時には「障害年金」、一家の稼ぎ手が亡くなった時には「遺族年金」が支払われる。公的年金は年齢に関係なく、人生のリスクに備える役割があるんだ。
でも、保険料を納めないと原則受け取れない決まりになっている。いま年金をもらっているお年寄りも、若い頃は保険料を納め、その時のお年寄りを支えてきた。20歳になったら、きちんと保険料を納めなくちゃね。
(安田武晴)
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