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23歳息子がIgA腎症

 23歳の息子が、1年前にIgA腎症と診断されました。今は3か月に1度、検査をしていて、特に薬は飲んでいません。難病に指定されている病気なので、とても心配です。これからどのようにしたらいいのでしょうか。(54歳女性)

たんぱく尿出たら薬の治療

富野 康日己やすひこ 松和会常務理事 順天堂大学名誉教授(東京都新宿区)

 腎臓には、血中の塩分や老廃物を 濾過ろか し、尿として体の外に出す役割があります。その中で、毛細血管が集まった部分を糸球体といいます。IgA腎症は慢性糸球体腎炎の一つで、日本人に多くみられ、2014年に難病指定されました。

 IgAは、のどや腸での感染を防御するための免疫グロブリンの一種。感染や食べ物などの影響でIgAの構造が変化し、糸球体に沈着すると炎症が起こります。これがIgA腎症です。

 炎症がひどくなると糸球体が壊れ、本来は、濾過されないたんぱくが尿に出たり、血尿が出たりします。初期は症状が少なく、健康診断や学校の検尿などで見つかることがあります。

 血尿のみの時期、血尿とたんぱく尿が一緒にみられる時期、たんぱく尿だけの時期を経て、高血圧や腎機能低下(腎不全)へと進行します。たんぱくの量や腎機能、腎組織をみて、透析の導入を判断します。

 大切なのは、お子さんがどの病期かということ。たんぱく尿が出れば、ステロイド(副腎皮質ホルモン)薬や免疫抑制剤など薬の治療をしましょう。最近は、 扁桃へんとう の切除と、ステロイドを大量に点滴するステロイドパルス療法を合わせた治療も効果が出ています。

 日常生活では、高血圧や肥満、運動不足、過度なストレスや過労を避け、たばこや酒をやめ、生活習慣を改善しましょう。風邪や尿路感染症予防、栄養士による食事指導も大切です。

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