教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
筋肉痛は温めるといいの?
炎症あったら冷やして
Q 体が痛いよ~。おとといの運動会の綱引きが効いてきたのかな。
ヨミドック 日頃の運動不足が響いているのでは……。
Q なぜ今頃痛くなるの。年を取ると筋肉痛が遅く出るって言うのは本当なのかな?
ヨ 科学的に証明されていません。筋肉に強い負荷をかけて様子を見るいくつかの実験の結果によると、20~50歳代では年齢に関係なく「筋肉痛のピークは2日後」という結果が多いそうですよ。
Q 痛いのは、運動で筋肉が傷つき、炎症が起きているせいだよね。
ヨ 確かに力を使う運動の後に炎症による筋肉痛が出ることは少なくありません。ただ、最近は「それだけではない」という説もあります。
Q どんな説なの。
ヨ 運動後に痛覚を鋭敏にする物質が作られ、筋肉が痛みを感じやすくなるという説です。痛みは体の警告信号で、運動不足の人が軽い運動後に感じるのは、こちらではないかと言われています。
Q 筋肉痛には、風呂で温めるのがいいかな。それとも氷で冷やすほうが効く?
ヨ 温めるのは血行を良くして回復を早める目的。冷やすのは炎症を抑える狙い。どちらも一理あります。でも、炎症があまりなく、痛覚が過敏になって起こる筋肉痛なら冷やす意味は薄いでしょう。
Q 炎症があるか分からないよ。
ヨ 筋肉が熱を持っていたり腫れていたりすれば、炎症があるとみて冷やしてよいでしょう。
Q いっぱい冷やそう。
ヨ 長時間冷やすと血行が悪くなり回復が遅れる、との見方もあります。激しい運動をしない高齢者はあまり冷やす必要はありません。ただし、打撲や捻挫の場合は、十分に冷やすことが大切で、温めない方がよいようです。
Q 炎症がない筋肉痛にはどうすればいい?
ヨ 安静より、むしろ軽く動いた方が血行がよくなって回復が早まると考えられています。どちらのタイプの筋肉痛でも、運動前後のストレッチは痛みの軽減や回復を早める効果が期待できます。
(高橋圭史/取材協力=石井直方・東京大教授、石橋英明・伊奈病院整形外科部長)
ヨミドックは読売新聞の医療介護サイト「ヨミドクター」のお医者さんキャラです。
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