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子どもの数が、少なくなっているの?
生まれる子 70年代の半分
子どもの数が、
少なくなっているの?
Q 生まれる子どもが少なくなったって聞いたわ。
A 2016年生まれの日本人の赤ちゃんは約98万1000人だよ。100万人を下回るのは統計を取り始めた1899年以降で初めてなんだ。今、高校生の2000年生まれ(約119万人)より20万人少なく、1970年代前半の第2次ベビーブーム時の半分。グラフだと、少子化が進んでいることがよくわかるよ。
Q どうして減ったの?
A ここ数年、1人の女性が一生の間に産む子どもの数は1・4前後。子どもをたくさん産み育てることが難しくなっている。まず、2015年に初めて結婚した女性は平均29・4歳、第1子を産んだのは同30・7歳で、どちらも40年前より5歳ほど高い。子育て、教育費の負担が大きいことも、産みにくさにつながっているようだね。
背景には、1990年代以降に進んだ雇用環境の悪化がある。契約社員、派遣社員など非正規で働く若者が増え、正社員の給料も上がりにくくなった。年収300万円未満の20、30歳代男性のうち、結婚している人は10%に届かないという調査もある。
Q 少子化の流れを止めるのは難しそうね……。
A 第2次ベビーブーム生まれの団塊ジュニア世代がすでに40歳代を迎えたことも大きい。でも、このままだと日本の人口は2053年に1億人を割ってしまうんだ。人口減は経済の活力を失わせ、税金や保険料の多くを担う現役世代の割合が減ることで、医療、介護保険や年金制度を今のまま続けられない心配もある。
Q どうすればいいの?
A 子どもを産む、産まないはそれぞれの意思の問題だけれど、希望する人が産み育てることができる世の中にするのが大切だ。例えば、保育所に入れない待機児童の問題も、解消できればプラスだ。
夫の帰宅が遅く、育児を手伝えないと、妻がイライラしやすくなって、次の子どもを産もうという意欲が低下しやすいという分析もある。長時間労働の見直しなど「働き方改革」も少子化対策のカギになりそうだ。(滝沢康弘)
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