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松永正訓の小児医療~常識のウソ

医療・健康・介護のコラム

赤ちゃんが吐くのは当たり前?

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 前回の記事で、神の手を持った外科医はいないと書きましたが、神業の腕前を持った器械出しの看護師は見たことがあります。手術中、外科医は「コッヘル!」「ペアン!」とか叫んで術野を 睨(にら) んだまま、看護師に向かって手を伸ばします。この時に素早く正確に器械を出せる看護師は一人前ですが、神業の看護師とは、何も言われなくても正しい器械を出せる人です。 千葉大学医学部第二外科は、中山恒明教授(1910~2…

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松永 正訓(まつなが・ただし)

 1961年、東京都生まれ。1987年、千葉大学医学部を卒業し、小児外科医となる。日本小児外科学会・会長特別表彰(1991年)など受賞歴多数。2006年より、「松永クリニック小児科・小児外科」院長。

 『運命の子 トリソミー  短命という定めの男の子を授かった家族の物語』にて2013年、第20回小学館ノンフィクション大賞を受賞。著書に『小児がん外科医 君たちが教えてくれたこと』(中公文庫)、『子どもの危険な病気のサインがわかる本』(講談社)など。

 ブログは http://wallaby-clinic.asablo.jp/blog/

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2件 のコメント

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神業の要素分解と全体構造での不要性

寺田次郎 アマチュア・フットボーラー

5月31日宋美玄先生の所の、クライフの理屈にも通じますが、神業とは普通の人間が到達しえない領域で、大天才と大秀才だけが到達できると思います。 初...

5月31日宋美玄先生の所の、クライフの理屈にも通じますが、神業とは普通の人間が到達しえない領域で、大天才と大秀才だけが到達できると思います。

初期研修で見た、普通の先生は利き腕で、持針器に直角の把持で、順手と逆手くらいで手一杯でした。
しかし、うまい先生は利き腕でない手でも運針できますし、斜めに把持したりしていました。

さて、技巧派サッカー選手はトラップやキックの球種も速度も精度も桁違いで、それがプレーの多様性を産みます。

そして、もう一つ大事なのが精密なビジョンの共有です。
同じ「足元へのパス」という言葉が技術も発想も様々です。
11人で超高難度の連携をやろうと思うと、小さい頃からの選抜と教育、意識共有も大事になるので、最近はそこまで求めず、突出した個に高度の連携レベルが標準です。
20歳前後から修業した連中がチームを組む外科チームも似ていますね。

前回の4分のヘルニアのオペもそうですが、開始からゴールまでの最短距離と考えられる寄り道が頭に入って実行できるから、無駄なく、出来るわけです。

神業の機械出し看護師さんも、基礎の名前や使い方はもちろん、術者の癖や特殊技術を理解しているからシンクロ出来ます。
センスだけでなく努力でしょう。

感覚や性格の合う人間とばかりではないので、1人だけ動きが速くてもかえって邪魔だし、相性もあるし、何より長期間持続的に働くためのチーム形成が必要です。
(目や手が繊細な奴は、心も繊細な場合が多いので、むしろソリストに近い科に向きます。)

手術はスポーツと共通点もありますが、仕事ですから、チームに合った仕事を処理して、合わない仕事を他人や他施設に紹介することで補完できます。

特に、全国のもっと多くの平均的な医師や関連職種の技術や生活を思い描けば、医師も看護師も「神業は偶発性」という前提でシステムを組む方が正しいと思います。

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雑感

寺田次郎 六甲学院放射線科不名誉享受

子育ての面倒や我慢とか大変そうですが、やっぱり、とろみのリスクを読むと生理的なものに近い解決策でトライしてから、小児科に行ってステップアップしな...

子育ての面倒や我慢とか大変そうですが、やっぱり、とろみのリスクを読むと生理的なものに近い解決策でトライしてから、小児科に行ってステップアップしないとトラブルのリスクも上がりそうですね。

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