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教えて!ヨミドック

ニュース・解説

にせ薬が効くのはどうして?

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治験での思い込み影響

にせ薬が効くのはどうして?

   「プラセボ」ってどういう薬なの。効くなら私も飲みたいな。コホコホ。

  ヨミドック  プラセボは薬ではありません。見かけは本物そっくりですが、中身は乳糖やでんぷんなどです。「 偽薬ぎやく 」とも呼ばれています。

   使い道はあるの?

   新しい薬を開発する時、複数の患者さんに実際に使ってもらい、効果を確かめる試験をします。これを「治験」と言います。新しい薬が本当に効いているかを調べるには、別の何かを使った患者のグループも作り、同じ条件で比べる必要があります。そこでプラセボの出番です。

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   にせ物だから効かないでしょ。意味ないじゃん。

   そうとも言えません。ストレスなどが原因の心身症の患者で、代表的な抗不安薬を使った集団と、プラセボを使った集団で効果を比べると、改善率はプラセボが42%、抗不安薬は58%でした。差の16ポイントが薬の真の効果というわけです。ちなみに、医師も患者も、どちらを使っているか知らされていません。

   なぜ、そんなに効くの。

   専門的には「暗示効果」と「条件付け」と言います。「薬を使えば良くなる」「前に薬を使って治ったから今回も治る」という思い込み効果や学習効果です。心の病や痛みなどの病気で高めに出ます。

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   確かに、治ると思って飲んだ方が薬も効きそう。

   治験という特別な環境も関係していそうです。患者は約束した手順通りに服用し、定期的に受診することが求められるので、生活が規則正しくなるとみられます。医師も普段よりきめ細かに対応するので、「心のケア効果」が高まるとも言われます。

   患者もお医者さんも、いつもより張り切るわけね。

   「自然治癒力」も大きいです。人体には放っておいてもけがや病気を治す力が備わっています。

   薬の効果って、成分だけじゃないんだね。

   プラセボが通常の診療で処方されることはないけれど、治療に役立つヒントがたくさん含まれていることはわかってもらえましたか。

 (赤津良太/取材協力=中野重行・大分大学名誉教授、井原裕・独協医科大学越谷病院教授)

 ヨミドックは読売新聞の医療介護サイト「ヨミドクター」のお医者さんキャラです。

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