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子に迷惑かけず・故郷見える所に…「海に散骨」広がる

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子に迷惑かけず・故郷見える所に…「海に散骨」広がる

家族らに代わり、専門業者が遺骨を海にまくケースも増えている(神奈川県観音崎沖で)

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 少子高齢化や未婚率の増加などから、遺骨を粉末状にして海にまく「海洋散骨」が急増している。墓地を返す「墓じまい」をするため、業者には、先祖の遺骨も一緒に散骨する依頼が増えている。2040年に年間死者数が約168万人になると推計されるなか、供養のあり方も多様化しているようだ。

 海洋散骨を専門に行う「メモリアルスタイル」(東京都江東区)は、毎月20回ほど東京湾や相模湾などを中心に全国で散骨を行っている。専用に借りたクルーザーで出航。花びらをまき、家族からのメッセージなどを記した水に溶ける短冊や清酒などとともに、水に溶ける袋に入れた粉末状の遺骨を海中へ。散骨場所は、漁場や観光船に配慮して選んでいる。

 同社が海洋散骨を手がけたのは2010年秋から。利用件数は11年の42件から16年には437件で、今は毎月約40件の依頼がある。生前に申し込むなど故人の意思が約7割で、女性の申し込みが多いという。

 費用は、数組の遺族が一緒に参加する合同散骨で12万円。家族が乗船せず、社員が全てを行う代行散骨は5万円で、全体の約3割を占める。親族らで船を借り切る方法もある。

 身寄りのない高齢者の散骨も増え、現在は全体の約1割を占めるという。最期をみとった介護士らが「生まれ故郷が見える場所にまいてほしい」など故人の要望を添えて、申し込むケースが目立つ。「墓じまい」後の散骨も年間約50件ある。

 3月に散骨体験会に夫婦で参加した東京都江東区の女性(58)は「お墓の管理などで子どもに迷惑をかけたくない。私たちを含めて海洋散骨にしようと思う。お墓に入らないことに抵抗はない」と話していた。

 13年夏から代行散骨のみを行っている「ユニクエスト・オンライン」(大阪市)への依頼も、14年の221件から16年に370件に増えた。同社は「お墓をどうしようかと真剣に考える人が急に増えた」とみる。

 シニアの利用が多い旅行会社「クラブツーリズム」は12年から、死後の手続きや墓じまいの手順などを解説する終活講座を開催。墓を継ぐ人がいなくても利用できる海洋散骨や樹木葬などの講座は特に人気という。最近は葬送の現場を訪れるツアーも実施する。

 散骨に関して、厚生労働省の担当者は「墓地埋葬法の規定はない」と説明する一方で、自治体が規制を設ける動きもある。海洋散骨について、静岡県熱海市や伊東市は漁業や観光地としてのイメージダウンなどを懸念して、陸地から10キロ・メートル前後までの自粛を求めた指針を作成。粉末状にした骨を山林など指定された地域にまく「散骨場」を規制する自治体も多い。

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