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[鼻をいたわる](3)アレルギー性鼻炎の治療

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 くしゃみと鼻水が止まらない花粉症。日本気象協会によると、今年のスギ・ヒノキのピークはまもなく終わるが、来年に向けて、日本医科大耳鼻咽喉科の大久保公裕さんに対策を聞いた。

[鼻をいたわる](3)アレルギー性鼻炎の治療

 花粉症は、本来は体に無害な花粉を、免疫が「敵」と勘違いするアレルギー性鼻炎の一つだ。その敵を鼻の粘膜で追い出そうと、くしゃみや鼻水が出る。飲み薬があり、最近では飲んでも眠くなりにくいタイプも登場した。

 さらに有効な治療法がある。花粉に過剰反応してしまう 下鼻甲介かびこうかい と呼ばれる部分の粘膜をレーザーで焼いて硬い粘膜を作り、反応そのものをストップさせる手術だ。麻酔をして数十分で終わり、入院の必要もない。4か月ほどで自然に治るので、スギなら、シーズンが始まる12月頃に受けるのが理想的。手術だけなら3割負担で5000円程度だ。

 アレルギー性鼻炎には季節が限られる花粉症のほかに、ダニやハウスダストが原因の通年性のものもある。この場合で重症なら、分厚くなった下鼻甲介の粘膜をメスなどで切除する手術を行うことも。こちらは1週間ほど入院が必要だが、効果は数年以上続く。

 アレルギー性鼻炎は二度とゴメンという人には「免疫療法」がある。スギやダニのエキスを少しずつ取り入れて体に慣れさせ、免疫の力でシャットアウトする治療法だ。これは2~3年かけて行う。免疫療法は目の症状にも効果があるが、鼻の粘膜の手術は目とは関係ないので注意が必要だ。

 大久保さんは「アレルギー性鼻炎には、いろいろな治療のメニューがそろってきた。医師に相談してほしい」と話す。

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