宋美玄のママライフ実況中継
医療・健康・介護のコラム
待機児童、ママ医師だって悩みます
春休みを終え、娘は幼稚園での最年長、「年長さん」になりました。しっかりしてほしいところですが、まだまだ子供なので、家庭では甘えさせてあげようと思っています。1歳5か月の息子の発語はまだです。でも、「わわ」と指をさすだけで、こちらが内容を「 忖度 」してあげるので、もしや言葉が必要ないのかも?と思っています。
先週末、広島で開かれた日本産科婦人科学会の学術講演に行きました。今年は、演題は出していなかったのですが、専門医の資格更新には学会への出席が必要なので、参加してきました。日帰りとはいえ、HPVワクチンのセッションなどを聴講でき、勉強になりました。
子宮 頸 がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するHPVワクチンについては、ワクチン接種の有効性がリスクを大きく上回るという意見が、学術的にも疫学的にも一致していることが分かりました。一部に反対意見もありますが、このまま接種の推奨を再開しないでいると、子宮頸がんが日本でだけ減らないままとなり、厚労省がその責任を問われることにもなりそうです。
学会場では、たくさんの友人や同期の医師たちと再会し、近況を報告し合いました。私と同じくらいの世代の医師たちは小さな子供がいたり、妊娠したりしていることが多いのですが、子持ちの女性医師の生活や労働環境がかなり過酷だということを改めて痛感しました。
まず、ご多分に漏れず保育園に子供を入れられません。その上、勤め先から突然、期限を言い渡され、「復帰できない場合は、他の人に雇用枠を譲るために退職するように」と、育休中に解雇されることがまかり通っているのです。
法令順守から程遠いのですが、医療業界はこうした観点にとても疎いようです。労働基準監督署に相談する女性もいますが、泣き寝入りする場合が多いとのことでした。
中には、病院長自ら自治体に「地域の周産期医療を保つためにはこの女性医師の子供が保育園に入れることが必須です」と陳情書を書いてくれたにもかかわらず、入園がかなわかった例もあったと聞きました。他の業種同様に、子供が保育園に入れないことが女性の医師たちが働き続けられない原因となっているのです。
一度退職すると、あとで預け先が見つかったところで、なかなか常勤勤務には戻れません。生活のためにパートタイムで勤める女性医師はとても多いのですが、それまでに身につけた周産期管理や手術などの専門的技能を生かせない内容がほとんどです。また、大きな病院に勤務していても、9~17時の定時勤務や時短勤務だと重要な仕事は任されない、という悩みもよく聞きます。孤軍奮闘のワンオペ育児をしている人がとても多く、同じ医師なのに、男性とは全く違う働き方をしています。実家に頼れたり、夫が時間に融通の利く仕事に就いていたりするなど、どこか恵まれた条件がないとバリバリ働くのは難しいのです。私の場合は、一人目は無認可保育園、二人目はシッターさんにお願いしたあと、無認可保育園に入れることができました。
女性医師は「子供を産むと働かなくなる」「やる気がない」などと批判されがちですが、産み育てながらそれまでと同様に働くには、本人のやる気や努力だけでは無理な面があります。雇用者側にはせめて法令を順守し、人材を大切にしてほしいと思います。医師不足や子育て中の医師が抱える問題の解決が叫ばれてから、もうかなりの年月がたつのですから。
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非専門医が学ぶ技術 就職地域の重要性
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(前回)酔うと饒舌で、しかも、エールじゃないです。補足します。 非専門医は、専門書などの知見と非医療の知識や体験が専門医との競争のツールです。 ...
(前回)酔うと饒舌で、しかも、エールじゃないです。補足します。
非専門医は、専門書などの知見と非医療の知識や体験が専門医との競争のツールです。
患者さん相手であれば、医者でない時代や時間の経験をもとにコミュニケーションを質を高めるアイデアが必要ですし、研究では普通の医者が見たり触ったりしないものや経験がヒントになります。
子供は医学用語や知識、慣習を知らない患者さんに相似です。
我々20-40代の生活や生活物品は子供の頃から変わりましたが、コスト構造や保守的な文化の問題で、更新されていない部分も医療界には多くチャンスは潜在しています。
(ちなみに複数の科研費のアイデアは20代半ばのもので、専門技術に敬意を払い過ぎなければ、案外普通に思いつくもの。)
勿論、研究の場合、出し方や出す場所も大事です。
評価をくれる上司や組織、フェアな同僚が大事です。
僕は案だけが高く評価されていたので、生贄を欲していた外科系手術訴訟の内部告発犯人探しの的になり、給料袋に最上級幹部連名で職員全員の給与袋に書状を入れられ、脅迫的な呼び出しを受けた挙句、4人の自称弁護士から恐喝を伴う自白誘導を受けました。
(弁護士の一人は調停でも現れました)
特高警察の手口ですが、誘導に従わなかったので、その後も関連部署から恐喝などを繰り返し受け、最後は寸劇を使った冤罪認定を同じ人間たちから受けました。
所轄の公的機関地域のカネと権力のせいか無視どころか、警察子弟を名乗る人間が動線に現れ「お前のことは全部知っている」など様々な脅しを受けました。
書籍だと、裏の公安組織とかあるそうです。
仁義がある暴力組織がヤクザで、ルールがある暴力組織が警察や自衛隊のはずですが、そんなものです。
勿論、そうでない組織や人もいるから、医学は発展しているんでしょうけどね。
就職浪人してでも真面目に就活するべきでした。
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専門医制度に乗れない女医とその他へエール
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厚労省が専門医取得を必須でないとしました。 放射線科だと専門医制度の条件が都心部か地域の一部の病院でしか無理なものもあり、CTだけの病院もある多...
厚労省が専門医取得を必須でないとしました。
放射線科だと専門医制度の条件が都心部か地域の一部の病院でしか無理なものもあり、CTだけの病院もある多くの地域医療の実情を考えれば現実的であり、専門医の芽を潰された人間としてはありがたく思います。
女医論争もそうですが、実際、主流派と非主流派のどちらに優秀な人材を囲い込んでいくかの政治的意味合いも派生しますし、その結果として、関東に研修医が集まりすぎているともいえます。
他の部分も含めて、所詮は官僚国家の人間ですから、ポストを巡り、人間臭い小競り合いなどで適正運用されないことも多々あります。
大学院生だったので、職場の指示通り、科研費のアイデアの主筆も特許も譲り(総額は1億円をゆうに超えます)、また、出世する上司の論文のアイデアをサポートしたのに、チームから潰された人間として、嬉しく思います。
サッカーもそうですが、目に見える形になるゴールをした人間だけが評価されるのであれば、誰も真面目にやりません。
(だから、きわどい意見も載せてくれる読売新聞に投稿しています。)
そういったことを鑑みての措置ともいえますが、専門的な学習の基盤は専門医の多い学会主催であるのも確かです。
けど、長時間労働が常の、専門医や指導医に向かって「バカ」と言えるくらい、医療内外の勉強をするのが非専門医の道です。
専門医の条件の拘束を考えれば、ある分野で専門医を超えることは簡単です。
先日、学会で再開した前の職場の准教授に「お前なんか女医と一緒」と言われました。
不器用な部下の仕事や気遣いに気付かず、天下りで良い職場につけたら、言いたい放題で羨ましいです。
ブログを時系列で見れば分かりますが、画像診断も血管内治療も放射線科でない技術も、まだまだ可能性はあります。
例えば、短時間MRI撮像の出現は、僕がアイデアをブログに書いた後のものです。
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難しいですね
あ
>病院長自ら自治体に「地域の周産期医療を保つためには >この女性医師の子供が保育園に入れることが必須です」と陳情書を書いてくれた 素晴らしい病院...
>病院長自ら自治体に「地域の周産期医療を保つためには
>この女性医師の子供が保育園に入れることが必須です」と陳情書を書いてくれた
素晴らしい病院長ですね
それでも落選してしまうのは悲しいですね
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