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ダウン症の人、9割が「幸せ」…仕事や趣味を楽しむ

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ダウン症の人、9割が「幸せ」…仕事や趣味を楽しむ

テレビドラマでも披露したバーテンダーの演技を練習するあべけん太さん(4月上旬、都内で)

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 ダウン症を抱えながら、楽器の演奏など趣味を楽しむのはもちろん、タレントとして活躍する人もいる。社会活動の幅が広がる中で、「ダウン症の人の9割以上が幸せ」という調査結果も出ている。(竹井陽平)

週末はタレント

 「毎日が本当に幸せ」

 平日は会社員、週末は「あべけん太」の芸名でタレント活動をする安部健太さん(30)(東京都世田谷区)は笑顔を見せる。

 生まれてすぐにダウン症と診断された。それでも両親は「外に連れて行き、色々な人に会わせよう」と前向きな教育方針で、物おじしない性格に育った。2011年、オーディションに合格し、テレビのバラエティー番組やドラマに出演するようになった。16年に出演した番組では、全盲の落語家・桂 福点ふくてん さんとコントを披露した。

 安部さんは「台本を覚えるのは大変だけど、好きなことだから頑張れる。30代も充実した日々にしたい」と語る。

 ダウン症は染色体異常が原因で、700人に1人生まれるとされる。知的発達の遅れや心臓などの病気を伴うことが多い。

 しかし、安部さんのような人は珍しくない。産婦人科医で、ダウン症に詳しいお茶の水女子大教授の三宅秀彦さんは「多くがいきいきと学び、働き、普通に生活している」と指摘する。

 趣味を楽しむことも、今や当たり前だ。神奈川県横須賀市の戸部あゆみさん(23)は、ヘルマンハープの演奏に夢中。ダウン症の人にも演奏しやすく作られた弦楽器で、弦の下にセットした紙に書かれたマークの順に爪弾けば、美しいメロディーを奏でられる。

 母親の増江さん(57)は「コンサートに出るのを楽しみにしていて、衣装も自分で考えるんですよ。好きな曲は『幸せなら手をたたこう』です」と話す。

 三宅さんら厚生労働省研究班がまとめた調査でも、ダウン症の人の幸福感の強さが裏付けられた。15年10~12月、日本ダウン症協会の会員5025世帯にアンケートし、12歳以上の当事者852人の回答を得た。

 「毎日幸せに思うことが多いか」との質問に、「はい」「ほとんどそう」と答えた人が92%を占めた。「友達をすぐに作れるか」「父母や周囲の人に大事に思われていると感じるか」との質問にも、それぞれ74%、94%が肯定的だった。

啓発イベントも

 現在は、生まれる前の検査でダウン症かどうか調べられる。臨床研究で一部の妊婦に行われているだけだが、胎児の染色体異常が分かった508人の9割以上が人工妊娠中絶をした。

 医療の進展が「命の選別」につながりかねないという議論もある中、研究班の調査は、ダウン症の人への理解を深めてもらおうと、実施された経緯がある。

 啓発イベント「バディウォーク」も12年から、国内各地で行われている。ダウン症のある人もない人も一緒に行進し、寄付を募る。16年の参加者は約4700人に上った。

 東京都内でバディウォークを主催するNPO法人アクセプションズ理事長の古市理代さんは「イベントを一緒に楽しみながら、ダウン症を特別視することなく、どんな人も共生できる社会を目指したい」と話す。

 バディウォークは、22日正午から、横浜市の山下公園でも行われる。

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