鼻をいたわる
元気なう
[鼻をいたわる](1)出血時は下向いて
普段は存在を忘れがちな、鼻。空気を取り込む呼吸器であり、繊細な構造をしている。トラブルも多い。
特に起きやすいのが鼻血だ。東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科の石井正則さんによると、鼻血の9割ほどが、右穴と左穴を隔てる仕切りの入り口付近にある「キーゼルバッハ部位」からの出血だ。毛細血管が集中していて小さい傷でもすぐに出血してしまう。
鼻の穴にティッシュを詰めない方がいい。引き抜く時に粘膜をこすり、再出血するかもしれないからだ。
気持ちを落ち着けて、鼻を下に向け、小鼻を指で5~10分つまんで、ゆっくりと口呼吸をしているうちに、ほとんどの鼻血は止まる。
上を向くと血がのどから口に回り、焦ってしまう原因になる。また、出血量が多い場合はのどにつまってしまうことも。
止まらない場合は別の原因も考えられるので、耳鼻咽喉科にかかった方がいい。
鼻血を防ぐにはどうすればいいか。石井さんは「まずは鼻をほじるのをやめましょう」と話す。
伸びた爪は出血を招きやすいし、汚れて雑菌まみれの指を粘膜にこすりつけると鼻炎などを起こしかねない。ほじりがちな子どもは特に、普段から爪をきちんと切り、こまめに手洗いすることが重要だ。
鼻毛も抜いてはならない。抜くとその跡から雑菌が入り、粘膜が炎症を起こしたり、毛細血管を通って顔の表面に「 面疔 」と呼ばれるできものが生じたりする。鼻毛用の先の丸いハサミや、専用のシェーバーを使う必要がある。
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