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新生活の不調防ぐ…ストレス処理、1日単位で

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生活習慣のメリハリ大切

 来週から新年度。職場や教室に新しい顔ぶれが並び、どことなく気持ちも華やぐ。一方で、環境の変化はストレスのもとでもある。春に不調にならない方法を探った。

新生活の不調防ぐ…ストレス処理、1日単位で

 新生活が始まってしばらくすると、心身に不調が表れることがある。新たな環境で、知らず知らずのうちに緊張を強いられてしまうのが原因だ。放置すると、気持ちが落ち込んだり、睡眠障害になったりすることもある。

 心療内科医で横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長の山本晴義さんは、「不調が長引くようなら、かかりつけ医や産業医に相談してほしい。日常生活に支障が出ると、治療が必要になることもある」と話す。

 目安として、山本さんは厚生労働省が作ったストレスチェックから11項目を抜き出し、4項目以上が該当すると要注意、8項目以上だと医師への相談を勧めている。

 不調にならないためにはどうすればいいのか。

 「その日のストレスは、その日のうちに片づけて」と山本さん。ストレスをためない、先送りしない、ストレスから逃げないことを説く。仕事をしていると週単位で動くことが多いが、ストレスは週末にまとめて解消しようとするのではなく、1日単位で考えることが大切という。

 また、「職場や体質は簡単に変えられないが、ライフスタイルは変えられる」と話し、〈1〉運動〈2〉労働〈3〉睡眠〈4〉休養〈5〉食事――を、毎日重視すべき5要素とすることを提案する。運動は1日15分。やりがいを持って仕事し、夜はきちんと寝る。長時間労働を避け、1時間に5分程度の休養をとる。きちんと食事を取る。心身を整えるには、こうした当たり前の生活が大切という。

 「ちょっとした心がけで、元気になる方法がある」と話すのは、「科学的に元気になる方法集めました」(文響社)の著者で、明治大学教授の堀田秀吾さん。最近の学生たちに元気がないと感じ、英語の論文などを読み込み、元気づける方法を探した。

 「なんといっても笑顔。楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなる」と、満面の笑みを見せる。しっかりと口角を上げて笑顔を作ると、ストレスも減らせるという。背筋を伸ばしてピンとした姿勢を取ることで積極的な気分になる、という研究もある。堀田さんは「明るい笑顔、堂々とした姿勢で臨むだけで、輝いて見える」と話す。

 ボーッとする時間を作ることも大切だ。

 何もしない時間を確保し、頭の中をリセットすることで心が落ちつく。仕事の効率も上がるという。ハーブティーを入れている間、砂時計の砂がさらさらと落ちていくのを何も考えないで見つめるのが、堀田さんのオススメだ。

 酒を飲む機会も出てくるが、「嫌な記憶が定着しやすい」ので、やけ酒は禁物。新たに知り合った人との接し方は、「減点法で評価するとイライラしやすくなる。良いところを探すようにして」と助言する。

 堀田さんは、「あとは元気になれると信じて取り組むこと。つらい状況でも、面白い、楽しいと考えることで、いつの間にか楽しくなる」と締めくくった。

  ■メモ  心身の不調を感じた時、厚生労働省による働く人のためのメンタルヘルス支援サイト「こころの耳」( http://kokoro.mhlw.go.jp/ )が役に立つ。疲れのセルフチェックができ、ストレスへの対処法や悩みの相談窓口、心の病を克服した体験などを紹介している。(森井雄一)

 (2017年3月29日 読売新聞夕刊掲載)

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