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血液がんの次世代治療法、新年度から治験

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血液がんの次世代治療法、新年度から治験

 自治医科大学病院やタカラバイオ(本社・滋賀県)などは、遺伝子を改変してがんへの攻撃力を高めた免疫細胞で、血液のがん「急性リンパ性白血病」の重症患者を治療する臨床試験を2017年度から始める。「CAR遺伝子治療」と呼ばれ、次世代のがん治療法として注目されている。海外の臨床試験では高い治療効果が報告されており、20年度の薬事承認を目指す。

海外で高い効果

 治療は、急性リンパ性白血病の再発患者など既存の治療が行えない重症の成人二十数人が対象。患者から取り出した免疫細胞に人工的な遺伝子を加え、白血病細胞の「目印」となるたんぱく質を認識し、攻撃できるように加工。大量に増やし、患者に戻す。

 今年2月、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が計画を承認。自治医大病院や、三重大学病院、東京大学医科学研究所病院など6施設で、4月以降に臨床試験を始める。

 CAR遺伝子治療は、米国での複数の臨床試験で、急性リンパ性白血病の7~9割で白血病細胞がほとんど消える状態になったとされている。一方、海外では2~3割で発熱や血圧低下などの重い副作用も報告されており、今回は副作用を抑える薬剤も活用する。

 小沢敬也・東大医科研病院長(血液内科)は「臨床現場に早く導入できるよう、安全性と有効性を慎重に見極めたい」と話す。

          ◇

【CAR遺伝子治療】  がんを認識する「アンテナ」の役割を持つ人工のたんぱく質「キメラ抗原受容体(CAR)」を作る遺伝子を免疫細胞に入れ、攻撃力を高める。海外では血液がん以外に、肺がんなどへの応用も研究されている。

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