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室伏由佳のほっこりスポーツカフェへようこそ

健康・ダイエット・エクササイズ

歯科検診! 歯とお口の中の健康はどうやって保つ?

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歯科検診! 歯とお口の中の健康はどうやって保つ?

大事なのは毎日の歯磨き。猫ちゃんと一緒に丁寧に磨きます

 みなさん、ほっこりスポーツカフェへようこそ! 今年度も間もなく終わり。卒業シーズンですから、新しい環境への変化がある方もいることでしょう。どなたにとっても、フレッシュなスタートを迎える切り替えの時期ですね。春と言えば、健康診断を行う時期でもあります。皆さんは、定期的にご自身の健康をチェックしていますか?

 このコラムでは、運動習慣についてしばしば触れてきました。健康的な心身を保つための理想として、運動習慣を持つこと、そして、かかりつけの医師やケアをしてくれる環境を確保することが挙げられると思います。高強度の負荷や運動でなくてもいいですよ。ゆっくり、身体との「対話」をする気持ちで。そして、身体の状態を「確認する」ために、軽い運動をしてみましょう。身体の状態を少し把握できるかもしれません。ジョギングをしたとして、たとえば、「足の筋肉、なんか弱いなぁ」「あれ、腕が振りにくいな?」などなど、感想を持てるかもしれません。

 そして、もしも痛みや違和感のある部位が見つかれば、運動をして「コンディションを整える」ということが難しい場合もありそうです。その場合は、医療機関で専門的なケアが必要になる可能性も、頭の片隅に置くのが良いかもしれません。痛みが起こってから何か対応するほうが、結局大変になってしまうことが多いのではないでしょうか。

 最近、私が全く忘れてしまったケアのことを今回のカフェで書いてみたいと思います。怠っていたのは……「歯の検診」。あれ? 最後に行ったのはいつだっけ? よく考えてみたら、最後の歯科検診から2年も っていました。お口の中のトラブルや痛みはない状態でしたが、やっぱり1年に1~2回は行っておきたいものです。春に健康診断を受ける方も多い季節、それで思い立って行ってみました。

アスリート時代に経験 海外での歯のトラブル!

 かつて、アスリート時代に、歯ブラシの使い方や歯磨きのタイミングが悪かったのか、虫歯などができて治療に通ったこともありました。通院を煩わしく思ってしまい、検診もそこそこで、問題が起きたら行っていたので、歯やお口の中の健康についてあまり深く考えていなかったことが思い出されます。私の競技はハンマー投げと円盤投げでしたが、いずれも歯を食いしばることが実はありませんでした。筋力を高めるウエートトレーニングも行っていましたが、同様に食いしばりはありませんでした。「マウスピース、必要ですか?」と聞かれることが大変多くありましたが、実は、顔や あご の周り、首の筋肉は意識的にはなるべく力を抜く必要があるため、不必要でした。結果的に、力は首や顎まわりに入るものではありますが、あえて入れることは考えませんでした。歯の食いしばりなどでのトラブルはなかったですが、単純に歯磨きなどのケア不足による問題から虫歯が起こっていたのだと考えられます。

 日本にいるときはいいですが、クロアチアへトレーニング合宿に出かけた際に、歯のトラブルに見舞われたことがありました。

 朝起きると、右の下、奥から3番目の歯の真ん中から上の部分が大きく欠けて、虫食いのように真ん中が空いていました。起きてすぐに顔を洗って歯を磨こうとした時です。寝ぼけ眼のせい? あれ? なんか歯が半分欠けてない? 夢? と、現実かどうか一瞬わかりませんでしたが、これは本当のことだとすぐに判断しました。

 お水が染みるのも、風がかかるのも痛い状態。これは歯医者さんに行かなくては。合宿を共にしていたクロアチアの選手が探してくれて、なんとか病院にたどり着き、すぐに治療をしていただきました。8月、夏のバケーションの時期でクロアチア市内の歯医者さんはお休みのところが多く、見つけるのにも少し苦労しましたが、この時は本当に友人に助けられました。

大事なのは日ごろのケア 歯医者さんで“優等生”に

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特別なことは何もしていません。定期的に歯医者さんでチェックもしています

 日本に帰り、私はすぐに歯医者さんへ。これからはちゃんとケアをしていこうと気を引き締めなおしました。治療すべき歯も治し、その後は日ごろのケアに気を配りました。食べ物を食べた後は、なるべくすぐに歯を磨く。歯間ブラシ、糸ようじなどで歯の間を掃除する。洗口液で口の中をすすぐ。すぐにできない環境の時は、キシリトール入りのガムを んでつなぐ……などなど、自分なりに続けてきました。

 その後、歯科検診などの機会のたびに、「大きな問題はないですよ!」「きれいに磨けています、このまま続けて」など、歯やお口の中の健康が保たれている状態を過ごしています。

 2年ぶりの検診をうけた最近の診察では、「とてもいい状態ですね、その調子で続けてください」「とてもいい状態で医者の仕事がないです」と、冗談交じりで医師からお言葉をかけていただきました。それでも、検診は年に1~2回はしたほうが良いようです。過信はやはり問題で、痛みや違和感が出てきてからの受診では、普通の治療では済まないことも出てくると思います。

 皆さんも、違和感や痛みを覚える前に、ご自身のお身体に関するケアに気持ちを向けてみてください。 素敵すてき な春を迎えられるように!

 それでは、また次回、お花見のころにほっこりスポーツカフェでお会いしましょう!

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室伏由佳(むろふし・ゆか)

 1977年、静岡県生まれ・愛知県出身。 2004年アテネオリンピック女子ハンマー投げ日本代表。円盤投げ、ハンマー投げ2種目の日本記録保持者(2016年4月現在)。12年9月引退。

 アスリート時代には慢性的な腰痛症などスポーツ障害や婦人科疾患などの疾病と向き合う。06年中京大学体育学研究科博士課程後期満期退学(体育学修士)。スポーツ心理学の分野でスポーツ現場における実践的な介入をテーマに研究。現在、スポーツとアンチ・ドーピング教育についてテーマを広げ、研究活動を継続。現在、上武大学客員教授、朝日大学客員准教授や、聖マリアンナ医科大学スポーツ医学講座、徳島大学医学部、中央大学法学部など、複数の大学において非常勤講師を務める。スポーツと医学のつながり、モチベーション、健康等をテーマに講義や講演活動を行っている。日本陸上競技連盟普及育成部委員、日本アンチ・ドーピング機構アスリート委員、国際陸上競技連盟指導者資格レベルIコーチ資格、JPICA日本ピラティス指導者協会公認指導師。著書に『腰痛完治の最短プロセス~セルフチェックでわかる7つの原因と治し方~』(角川書店/西良浩一・室伏 由佳)。

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