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白いアスパラ、甘み上品

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白いアスパラ、甘み上品

遮光シートの中でホワイトアスパラガスを育てる山領さん(佐賀市諸富町で)

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出荷する前に、サイズによって分別する(佐賀市のJAさが・総合野菜集荷場で)

 ホワイトアスパラガスといえば、外国産の缶詰を思い浮かべる人も多い。だが、最近は、国産の新鮮なホワイトアスパラガスが人気を集める。太くて甘みが強く、春の味覚としてレストランなどのメニューにも並ぶ。ホワイトアスパラガスの産地、佐賀市を訪ねた。

 佐賀県のアスパラガスの生産量は北海道に次ぐ全国2位。作付面積で見ると、グリーンが9割。ホワイトは1割ほどだが、最近は、首都圏のレストランやスーパーなどで需要が高まり、生産量も増えている。

 3月上旬、佐賀市 諸富町もろどみちょう の農家、 山領やまりょう 敏正さん(62)のビニールハウスの中に入ると、畝は銀色のシートでトンネル状に覆われていた。遮光のためだ。シートをめくると、むっとした湿度とともに、地面からヒョロヒョロと伸びた白い茎が目に飛び込んできた。

 山領さんは6棟のハウスでホワイトを、2棟でグリーンを栽培する。実はホワイトもグリーンも同じ「ウェルカム」という品種。光を遮って育てることで、白くなる。グリーンに比べて、ゆっくり育ち、茎が太く、甘みも強いという。長さ27センチほどに育つと出荷される。

 ホワイトアスパラガスはグリーンに比べて、栽培に手間がかかる。日光や蛍光灯に当たると色が緑がかってくるため、収穫作業は、夜間や明け方に行う。

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極太のホワイトアスパラガスは、「白い宝石」として出荷される

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 アスパラガスは多年生で、同じ株から何年も収穫できるが、グリーンが春と夏の2回収穫できるのに対し、ホワイトは春のみ。例年、5月の連休明けに収穫を終え、遮光シートも外して光合成させる。秋から冬は低温にさらす。1月ごろに保温し、遮光シートをかけると、2月ごろから若い茎が顔を出す。

 今年は成長が遅く収穫が遅れ気味だが、山領さんは、「シートで遮って育てているため、病害虫の発生の心配が少ない。無農薬で安心して食べてもらえる」と話す。

 同市では約30戸の農家が栽培している。収穫されると市内の選果場に集められ、サイズ別に選別されて、約7割が空路で首都圏に出荷される。

 直径3センチほどの極太の希少なものは「白い宝石」と名付けられ贈答用になる。

 収穫したての「白い宝石」をゆでて食べてみると軟らかく、上品な甘みとほのかな苦みが口の中で広がった。食べ応えも十分。パリのビストロで食べた味を思い出した。

  メモ  ゆでるときは、茎の下側3~5センチは皮をむき、沸騰した湯で5~10分。マヨネーズをつけるのが一般的だが、生ハムを巻き付けたり、コンソメスープに入れてもよい。

 山領さんは、「みそ汁やカレー、巻きずし、かき揚げなど幅広い料理に使えます」と話す。

 佐賀県産ホワイトアスパラガスは、JAグループの通販サイト「JAタウン」( http://www.ja-town.com/ )でも購入できる。冷蔵保存する際は、ぬらした新聞紙にくるんで立てておくと、持ちがいい。(谷本陽子、写真も)

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