わたしの医見
医療・健康・介護のコラム
「治る見込みはない」、許せぬ医師の言葉
東京都八王子市 無職 73
昨年12月、顔の筋肉が固まったようになった。おかしいとは思いつつも受診の時間が取れず、10日たってから近くの病院に行った。神経内科で 末梢 性顔面神経まひと診断された。医師からは「発病して2日以内でないと治療法がない。他の病院に行っても治る見込みはない」と言われ、目の前が真っ暗になった。
このことを息子夫婦に話すと、嫁は「あきらめないで。治してくれる病院を絶対に見つけるから」と励ましてくれた。言葉通り、私の病名を手掛かりにインターネットや本で探し、痛みを和らげる治療をする「ペインクリニック科」を見つけてきた。
入院して神経ブロック注射を1日1回、2週間続けた。効果はてきめんで、8日目には顔の表情も元に戻り、無事退院できた。あきらめないで良かったが、最初の医師の言葉は許すことができない。
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誤診であったことを伝えましょう。
miikun
治る見込みがないと言われた病気が治ったのですから明らかに誤診です。 初めに診た神経内科医にその旨を報告する機会があると良いと思います。
治る見込みがないと言われた病気が治ったのですから明らかに誤診です。
初めに診た神経内科医にその旨を報告する機会があると良いと思います。
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医療の複雑性と患者や家族の受け取り方
寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受
初診時のドクターの声のかけ方も少し不適切な気もしますが、一方で、入院での神経ブロック注射で治ったというのも、その治療のおかげなのか、単に経時変化...
初診時のドクターの声のかけ方も少し不適切な気もしますが、一方で、入院での神経ブロック注射で治ったというのも、その治療のおかげなのか、単に経時変化やプラセボ効果、入院によるストレスの軽減により自然回復したのか判断が困難です。
そういう人体や医療の複雑性と患者や家族の受け取り方の問題は医師の間でも話題になります。
ところで、医療や医者にどの程度期待するのが適切なのでしょうか?
10年ほど前から、大学病院でも接客や接遇がうるさく言われるようになりました。
若者や時代の変化だけではなく、競争が激化して、技術や権威だけでは売れなくなってきたからです。
医療技術がプロ同士でもブラックボックスが大きいこともあり、広告の影響は大きいです。
訴訟ニュースが増えたのは、ITにより、医学知識や事例の共有が法曹界や一般人でも進んだのと、画像診断や電子カルテなどによる「動かぬ証拠」が増えたからです。
さて、投稿者の怒りは「もしも1人目の医者の言う通りにしていたら治らなかったかもしれない」に基づくものです。
ただ、もしも、確率論で治療が効かなかったり、そもそも治療のない病気であれば、どうなったでしょうか?
広告やドラマなどの医師や医療の虚像に振り回されていないでしょうか?
ほぼ均一の医療費の中で、技術や相性の良い医師に当たるにはそれ相応の努力と運が必要です。
普通のレストランで、ホテルの一流レストラン並みの料理とサービスだったらラッキーなのであって、そうでなかったとしても怒る人はあまりいないと思います。
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